実際、C-HRは外観から想像するよりも後席のシートサイズや空間自体は広く、荷室もまずまずの容量(318L〜1112L)が確保されています。
この点に関しては、主査の古場博之氏が作りたいクルマを実現するには、ヴィッツというBセグメントをベースとするのではなく、Cセグメントの新しいプラットフォーム(TNGA)を採用する方がいいという結論から、現在のC-HRというモデルとして具現化。結果的に、後席も荷室も実用性が確保されたことになります。
私はC-HRをみていると、シティ派SUVの嚆矢といえる(とらえ方はいくつかあるにしても元祖といえるモデルの一台)初代RAV4を思い起こします。初代RAV4が開発されていたのは、入社してすぐくらいだったそうで(1989年入社。愛車はMR2、MR-S)、伊澤氏も「凄く面白い」と思ったそうです。
C-HRはRAV4の後継モデルではないそうですし、初代RAV4のデザインや存在感をとくに意識したこともないそう。それでも、C-HRではスピード感、キビキビ感を強調することで、クロスオーバーの力強さ、質感を強調。初代RAV4のインパクトを超えたかどうかはユーザーなどが判断するものでしょうが、狙いどころのスピード感、キビキビ感は確かに十分に感じさせます。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)