「ワイヤレス給電」でEVを満充電に。IHIが2019年までに実用化か?

現在、実用化研究の主流となっているのは「磁界共鳴方式」で、小型機器の充電に用いられている「電磁誘導」方式に比べ、電力の伝送距離が長く、送電効率が良い等の優位点があります。

IHI_Wireless_Charging

IHIは2011年にワイトリシティ社と「磁界共鳴方式」の実用化に向けた共同研究をスタートさせており、駐車場に設置した送電システム上に車両の受電装置が近付くと、回路に電流が流れて自動的に充電が開始されるシステムを開発。

翌年の2012年には、三井ホームと戸建住宅でのEV, PHVの非接触給電の研究を始めており、昨年3月には共同で実証実検をスタートさせるなど、2019年頃の実用化を目指している模様。

15〜20cmの距離をおいて設置された2つのコイルを通じて最大3.3kWの送電が可能で、20cm程度ずれて車を停めても効率が大きく低下せず、約8時間でEVを満充電にすることができるといいます。

住宅の屋根やカーポート上に設置したソーラーパネルから得られた自然エネルギー由来の電力を活用するだけでなく、電力を充電ケーブル無しでEVやPHVに取り込める、環境にもユーザーにもうれしい時代の到来が間近になってきたようです。

Avanti Yasunori・画像:IHI)

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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