日本発のベンチャー「FOMM」、2020年までに小型EVを100万円以下で発売

独創的なEV開発などで知られる「FOMM(First One Mile Mobilty)」が、エレクトロニクス分野を手掛ける「船井電機」との資本業務提携を発表しました。

神奈川県川崎市に拠点を置く同社は、スズキで2輪の開発に携わった後、アラコやトヨタ車体でパーソナルEV「COMS(コムス)」の開発を手掛けた鶴巻日出夫氏が独立後の2013年2月に設立したベンチャー企業。1年後の2014年2月には、世界最小クラスの小型EV「FOMM コンセプト One」の開発に成功。

近距離移動に最適な超小型サイズでありながら、大人4人が乗車できる居住性を実現するとともに、運転者によるアクセル踏み間違い事故を未然に防ぐ新操作系「ステアリング・アクセル」や、水害が多い地域でも緊急時に「水に浮き、水面を移動する」車体構造及び推進装置を実装しています。

最新モデルの車重は445kg(除バッテリー)で、スリーサイズは全長:2,585mm、全幅:1,295mm、全高:1,560mm。最大出力10kW、最大トルク560Nmを発生する高効率イン・ホイールモーターを前輪に搭載しており、満充電までに要する時間は220~240Vの電源で約3時間。最大航続距離は150kmで、最高速度は85km/hに達するそうです。

もともと欧州の規格をベースに開発されており、同州への輸出も視野に入れているそうで、20代の若者をターゲットに車両価格を100万円以下に抑える考え。

2018年後半にタイで発売した後、2020年までに日本や中国、欧州などで販売する流れになるようで、生産は船井電機が担当。出資契約を結んでいるヤマダ電機が日本全国の店舗やネット通販で販売するそうで、保守などのサービス面は他社と連携する模様。

地球温暖化防止で世界的にEVへの移行が話題になるなか、今後「FOMM」は世界から一層注目を集めることになりそうです。

Avanti Yasunori・画像:FOMM)

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FOMM
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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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