燃費32.0km/Lのスズキ・ソリオハイブリッドはどんなクルマ?

AGSありきのハイブリッドシステムであり、AGSはMTとATの利点を併せ持つコンパクトで伝達効率に優れるのが特徴。日本ではよりポピュラーなCVTを搭載できなかったのはスペースの都合とのこと。

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なお、コンパクトな駆動用バッテリー(リチウムイオンバッテリー)は、4.4Ahと容量も小さめでEV走行スイッチは用意されていません。さらに、エンジンルームに鉛バッテリー、助手席下に12Vリチウムイオンバッテリー(S-エネチャージ)を合わせると3つのバッテリーが積まれていることになります。

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走り出すと、AGSのシフトフィールが走りのフィーリングそのものも左右している印象を受けます。スズキのAGSはシングルクラッチとしてはよく出来ていますが、それでもDCTや変速レスのCVT、トルコン付きATと比べると、MTベースらしい変速の「間」があります。

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それをソリオ・ハイブリッドでは、AGSを介さずに直接駆動軸に伝える利点を活用し、10kW/30NmのMGU(駆動用モーター)の駆動力がトルクギャップを埋めることで、よりスムーズな走りが可能になっています。

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実際には、とくに1-2、2-3速の変速時にややトルクギャップがうかがえますが、従来のAGS搭載車よりも確かに変速の間も小さく感じさせます。

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エンジン走行、モーター走行、ハイブリッド走行をかなりこまめに切り替えていて、街中中心から首都高速くらいの速度域だとEV走行の頻度もかなり多め。エンジンの再始動はショック、音ともによく抑えられていて、走行中はほかの音・振動の要素も多いですからほとんど気になりません。

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駆動バッテリー、駆動用モーターともにコンパクトであるため、EVスイッチがないのは惜しい点ですし、変速操作をより積極的にしたいAGSだけに、シフトレバーもしくはパドルシフトでマニュアル操作がしたいところですが、残念ながらマニュアルモードは用意されていません。

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こうした細かな点をのぞけば、小さいボディで広いキャビン、荷室を維持しながら32.0km/Lのカタログ燃費を実現しているのはダイハツ・トールなどのライバルに対する強みです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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