【ロードスターRF試乗】いっそ「ロードスター」をヤメて「マツダRF」でいいのでは?と思ったワケ

例えば、マニュアルミッションの場合クラッチを繋ぐときにエンストを気にする割合が減るとか、高速で追い越そうとしたときにシフトダウンが少なくなる、といった具合です。もちろん、変速がしたくてMTを買うんだ!って人は変速をすればいいので心配無用です。

こういった余裕は、ルーフを開けていても、閉めている場合はさらに気密性が高く、静粛であり、かなりロードスターのキャラを変えてくれます。同じ速度ならエンジン回転も下がりますしね。

正直、幌のロードスターなら高速で100km/h巡行が気持ちいいところ。それ以上では(出しませんけど)あまり長時間走ると疲れるかな、と感じてました。

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ところがRFは、その余裕のエンジンとクローズドボディに近い室内のおかげで100km/hオーバーの巡行もなんなくこなすんじゃないかな、と(出しませんけど)思わせます。

今回、ワインディングなどを楽しむ走りは楽しめませんでしたが、変則回数が減ってしまいそうなRFは、その楽しみが減ってしまうと言えなくはないですが、それはほんのわずかな差であり、ライトウェイトスポーツのキャラクターに変わりはないはずです。

と、ライトウェイトオープンとしてもスポーティクーペとしても、2面性を併せ持って楽しめるロードスターRFですが、じゃあ、私が買うとしたらやっぱり幌かな。主導の幌の出来栄えがよく、特に急に雨が降った時でも片手で座ったまま閉められるほど「使える」幌なんです(個人的には最初に所有したオープンカーのMG-Bは、傾いた古民家の雨戸を閉めるくらい大変でした)。

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しかし、そこはマツダもわかってらっしゃる。

オープンカー好き、ロードスターのファン、ある意味古いタイプのクルマ好きの人には幌タイプを選んでいただき、そうでない人に振り向いてもらいたいというわけです。どっちがいいかを選んで買ってもらうんでなく、好きなほうを指名買いしてもらおう、というのです。

ケイマンとボクスターのように名前を変えても良かったかもしれません。ロードスターを取っちゃってストレートに「マツダRF」とかいいかも知れないですね。実際、それくらいキャラも違っていますから、アリだと思います!

(撮影:前田 惠介/文:clicccar編集長 小林 和久)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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