プラシーボ?オカルト?アルミテープの謎【渡辺敏史の新型86試乗1】

で、その原理は何かといえば、空気中の静電気と車両の静電気との関係を最適化して、空力特性を理想値に近づけるというものです。というのも、両者は主に+極で帯電しており、通常は跳ね返し合う関係にあるそうで、特に車体側は稼働時はその電圧も1000V級に達するといいます。
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でもクルマがそんなに電気を帯びる要素ってそんなにあるっけ? と疑問に思う方もいらっしゃることでしょう。が、近年は外装品の樹脂化や電装品の多様化に加え、タイヤの化学原料の配合比率が大幅に増すなど、電気を帯びる要素は確実に増加傾向にあるそうです。そこで車体を流れる空気との電気的反発を低減するために、ガラスや樹脂部品といった通電性の低い箇所の帯電を除去する必要から着目されたのが件のアルミテープである・・・と、そういう話なんですね。

とはいっても、室内のステアリングコラムケース下部にアルミテープなんか貼って意味あるわけ? と思うわけですが、タイヤ由来の静電気は強力がゆえ、この箇所でもタイヤ本体の放電処理に対して7割程度の能力が期待できるそうです。だったら、経年劣化の不安が少ないコラムケースに貼った方がいいだろうと、そういう判断だそうです。
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ちなみに新しい86の場合、このコラムカバー内側と両ドアガラスの前方、ミラー付け根付近とにアルミテープを貼付。これは新しいBRZも同じ仕様だそうです。
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そして86以前では14年にマイナーチェンジしたプロボックス/サクシードのコラムカバー内側に、そしてフルモデルチェンジしたノア/ヴォクシーは前後バンパーフェイシアの裏側四隅に各々貼付済み。バンパーフェイシア用はフォーク型の専用成型品を用いますが、これは貼りやすい形状と共に、広い断面積で放電効果を高める工夫が施されたものです。部販価格は1枚540円。原価はいかほどかは知らずとも、ノア/ヴォクシーともなればネジやファスナー辺りは銭単位の原価管理がなされていますから、相応の効果がなければ即お払い箱になるアイテムともいえるでしょう。