では、この『G-ベクタリング』制御というアイデアがマツダ独自かといえば、そうではありません。
遡ると、2009年に日立製作所の自動車部門が、ESC(横滑り防止装置)の機能を利用してブレーキを四輪独立制御することによってステアリング操作に合わせた姿勢をコントロールする論文を発表しています。
また、市販車では日産の電気自動車リーフが、駆動力を使って車両を安定させる制御システムを搭載しています。リーフのシステムも、ドライバーのステアリング操作に応じて、駆動トルクをわずかに変化させることで、なめらかにクルマをコーナリングさせようというもので、ドライバーのリニアリティ感をアップさせるという点ではマツダのGVCと狙いが似ています。
では、こうした先人に対してマツダのGVCは何が違い、どこがスゴイのかといえば、そうした微妙な駆動トルクの変化を、エンジンによって行なっているという点にあります。
従来であれば、電気モーターのレスポンスが必要と思われていた微妙で精緻なトルク制御を、内燃機関で実現したことがマツダの特徴でありスゴイところ。ここ数年SKYACTIVテクノロジーを進化させてきたことの成果といえそうです。
(写真:小林和久 文:山本晋也)
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