新型プリウスで初採用された装備と進化のポイント

エンジンの熱効率を向上の技術点は、吸気ポートの形状変更、EGR分配通路形状の変更、シリンダーボア壁温の最適化などにより達成。

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初代プリウスの1NZ-FXEは、35〜40%の間くらい、2代目プリウスの1NZ-FXEも同等で、先代の38.5%、新型の40%と着実に高効率化が図られています。もちろん、ハイブリッドシステムの小型・軽量化、高効率化も燃費、そしてパッケージングの進化に大きく貢献しています。

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また、新型に採用されているグリルシャッターは、走行状態や暖気状態に合わせてシャッターを自動開閉するもので、フォード・フォーカスなども採用していますが、走行風を必要としない状態ではシャッターを閉じることで空気抵抗を低減し、燃費向上に効果を発揮します。

暖気性能の向上は、2系統の冷却システムが採用された電動ウォーターポンプも大きく貢献していて、暖房の効きが早くなったそう。

従来は、エンジン暖気前の冷間時(冷却水停止中)にはヒーターが作動せず、エンジンの暖気待ちでしたが、エンジン冷却水の経路をエンジン本体と廃棄熱回収器・ヒーターの2系統に分岐することで、寒い日でもすぐに室内が暖まるようになっています。

さらに、寒い冬場などに重宝するのがシートヒーターで、スイッチはインパネの下側にありますが、助手席用スイッチは運転席から見える位置に配置されています。これはもちろん、スイッチの消し忘れを防ぐ配慮で、電気を無駄に使わないようにするための工夫。

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さらに、エアコンの無駄を省くシステムも搭載されています。昇温・降温抑制機能がそれで、ステアリングの熱さや冷たさによってエアコンを強めてしまうというドライバーの心理に着目した機能。

たとえば、ステアリングを握る手が夏場の炎天下で熱く感じたり、冬場に冷たく感じたりすることを軽減することで、エアコンの節約にもつながるというものです。こちらも最終的には、燃費向上に貢献するものと期待される機能になっています。

ボディカラーでは、新開発のサーモテクトライムグリーンに赤外線を反射する粒子を用いた世界初の技術を採用し、遮熱機能を持たせているのも注目点です。

シートでは、リヤシートの快適性を高めるリヤアームレストの角度を水平にし、従来型から24mm上げることで最適な高さを確保。

リヤシートを倒す際は、従来の2アクションから新型は背もたれのロック解除レバーでワンタッチにできるようになっています。

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マニアックなところでは、リヤサスペンションをいじる際など、荷室側からのアプローチが不要(基本的にジャッキアップで済む)になった構造を採用することで作業工程の簡略化なども盛り込まれているとのこと。

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そのほかにも、衝突回避支援パッケージの「Toyota Safety Sense P」や、プリウス初の4WD(E-Four)の設定など見どころ盛りだくさんの新型になっています。

(文/塚田勝弘 写真/冨士井 明史、塚田勝弘)

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この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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