さらに、ディテールを見てみましょう。
全体にボリューム感を変化させたスタイリングは、地上高が200mm以上もあるクロスオーバーであっても、”ロードハギング”といって地面をつかむような印象を生んでいます。
オーバーハングのボリュームを抑え、前後のフェンダーから大型のタイヤに向かって、地面にパワーを伝えるような力強いハイライトが入っているのも、その印象を強める一因でしょう。
シグニチャーウィングに削り出しのアルミ素材を使ったり、5軸のカッティングマシンを使って削りだしたホイールなど、細部の質感を高めることで、塊感のあるデザインを表現しています。
まだコンセプトカーの段階ではありますが、性能面でもプレミアム・クロスオーバーを意識した設計です。
床下と車両後方の整流に力を注いで、空力性能を磨くことで、走行安定性と燃費性能の向上も目指しています。また、室内に伝わる音や振動の低減にも心を砕いたそうです。
どうやら、「越(KOERU)」とは、これまで表現してきた「生命の躍動」に「品格」を加えた「魂動(KODO)」の進化形として、「既存の概念や枠組みを越えた価値を提供する」というマツダの想いが詰まったコンセプトカーのようです。
(川端 由美)