パッと見て、全長5mくらいあるかも? と思ったのですが、アクセラをベースにしていると聞いて驚きました。
全長☓全幅☓全高=4600☓1900☓1500mmというボディ・サイズは、いわゆるミドルクラスのクロスオーバーに分類されますが、数字から想像するより、実際のプロポーションは伸びやかに見えます。
ハッキリ言って、カッコいいのですが、ひとつ心配なこともあります。
BMW「X6」やメルセデス・ベンツ「GLC」といったクーペスタイルSUVのセグメントに切り込むからです。
世界的に流行しているとはいっても、プレミアム・ブランドでの流行なのです。つまり、越(KOERU)は、マツダがプレミアム・ブランドとして認められるか否かの斥候兵の役割を果たすとも言えるわけです。
「モノに魂を見出して命を吹き込むという『魂動(KODO)』のデザイン哲学にそって、新世代商品群を構築してきました。既存のラインナップの新世代が出揃った現在、さらに一歩進めて、新しいコンセプトの提案に挑戦しようと試みたのが『越(KOERU)』です」
と、小泉さんは続けます。
ラインを整理して、見た目から感じる量感に変化を与えることによって、スピード感のあるスタイリングが生まれています。
滑らかなラインと抑揚のある面が融合した「越(KOERU)」のデザインは、威圧感や圧迫感とは無縁なのですが、不思議と、「ここにあるゾ」という存在感を放っています。