プレゼンテーションが終了したら、いよいよ試乗です!!
ズラリと並べられた「A3スポーツバック e-tron」のなかで、ワタクシに配備されたのはブリリアントレッドが鮮やかな一台。キリッとした目元はエヴァ初号機、でも色は弐号機……
それはさておき。
いざ走らせてみると、その走りは想像通りスムーズ。
もちろん、はじめの一歩はモーター(109ps/33.7kgm)の特性を活かして、バッテリーの搭載で増えた約200kgを感じさせないほどスッと軽やか。
また、走行中のシステムの制御が実に巧妙。モーターだけで走る「EV」モードに限らず、積極的にモーターでクルマを動かす設定で、モーターのみでも行けそうな坂道でも即座にエンジンが加勢してストレスのないクルージングを助けてくれます。
カタログ上では130km/hまでならモーターのみで加速できるとのことですが、高速道路のような速度変化が少なく緩い巡航でこそ真価を感じられそうです。
さらに印象的だったのが、バッテリーの搭載で増えた車重による腰から下のドッシリ感の増加です。
ガソリンエンジン車ではフロントに偏っていた重量バランスが均されたおかげか、多少スピードがのっている状態でコーナーへ進入しても車体が外側へと流されていくような不安感は皆無。そこでアクセルを踏み足すとエンジン+モーターの強烈なパワーでもって、前から引っ張られているような錯覚とともにコーナーを勢いよく脱出していきます。
また、試乗中しきりにアピールされたのがブレーキの自然さ。いわゆるカックンブレーキと呼ばれる減速はなく、「A3スポーツバック e-tron」はドライバーの細かな踏み方にも的確に応答してくれる域に達しています。
ドライバーの意のままに動く感覚は、エヴァンゲリオンで言うなら“シンクロ率が高い”状態。手足のように操れる爽快感はプラグインハイブリッド化によって、大幅に上がっていると感じた次第であります。
時にゆっくり、時に激しくと、色々と走り方を変えてみましたがJC08モード燃費の23.8km/Lを大幅に上回る30.3km/Lをマーク。
外部充電や、モーターのみでは活動限界が52.8kmと聞くと、プラグインハイブリッドカーに対して「面倒くさい」と心の壁をもつ方がいるとプレゼンでは述べられたのですが、先述したとおり「A3スポーツバック e-tron」の充電はラクですし、いざとなれば給油だけでも十分。
それでいて、電気自動車の持ち味である胸のすくような爽快な走りを味わえるときたら、もはや、プラグインハイブリッドから「逃げちゃダメだ」なのかもしれません。
そんな「A3スポーツバック e-tron」の価格は564万円で、最大61万円の補助金も含めれば503万円。日常的にクルマを活用する方は、配備を考えてみてはいかがでしょうか?
ちなみに、本格的な実戦投入は2015年内とのこと。
(レイよりアスカ派 今 総一郎)