その答えは「燃費の水増し」にあったようです。
ディーゼルエンジンの場合、「燃費」と「NOx値」は相反する関係に有り、エンジンへの燃料噴射を濃くするとNOxの発生を抑制できる反面、燃費が悪化、逆に薄くすると燃費が向上するものの、NOxが増加する特性が有るのです。
そこで排出ガス濃度測定時のみ、燃料を濃くして排出ガス規制をクリアし、通常走行時は薄くすることで燃費の良さをアピールする一石二鳥のソフトを組込んでいたというワケです。
これはVWが燃費を重視して、リアルワールドでの環境対応を怠ったことになります。
米国では2013年にも韓国のヒュンダイとキアが約120万台に上る新車の燃費を水増し表示していたとして、対象車のユーザーに3億ドルを超える民事制裁金を支払っており、昨年春にも主力車種の中型セダン「ソナタ」で燃費の水増しが発覚しています。
<VWのユーザーへの説明>
・問題のソフトウェアが搭載された車両の安全性に問題は無い
・同ソフトウェアは車両のハンドリングや燃費、排出ガスに影響が無い
・当面の問題は排出された汚染物質のみでVWはこの問題を解決する
・問題の対策に全面的に責任を負うと共にその費用を負担する
・状況を分析し技術的な措置を講じるため問題解決には時間を要する
・ユーロ6対応のディーゼルエンジンを搭載したVWグループの新型車は
法的要件、環境基準に適合している
・エンジン ベンチテストの結果と実際の路上使用との間に顕著な乖離が
発見されたのは一部のディーゼルエンジンのみで日本には未導入
ちなみにマツダが開発したディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」の場合は燃料と空気を均一に混合するために「段付エッグシェイプピストン」を採用、エンジン本体でNOx値を規制内に収めており、後処理装置が有りません。
つまり、ディーゼルエンジンにおけるNOx抑制技術ではVWよりもマツダの方が優れているとも言えそうです。