アウディTT/TTSの圧倒的なスタビリティを支える最新「クワトロ」システムとは?

ここでは、最新世代の「quattro(クワトロ)」についてご紹介します。

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フルタイム4WDのクワトロですが、アウディはFFもしくはクワトロのみという駆動方式しか持たないため、燃費向上という現代の課題に対しては、日常的な運転ではFFにすることで燃料抑制を図っています。

Audi_TT_01

駆動力の切り替えは多板クラッチが担い(FFでは多板クラッチが切れる)、急加速や高速でのコーナリング時など、後輪にトルクを伝える必要がある際など、状況に応じて4WDとなる「オンデマンド」型で、その制御は今回の走行状態ではまったく分からないものでした。

この多板クラッチは、プロペラシャフトの後端、リヤデフの直前に配置されていて従来よりも1.5kg軽量化され、専用の制御ソフトウェアを搭載しているそうです。

専用ソフトウェアにより、クワトロと「アウディドライブセレクト」が統合されたことで、ステアリングアングルなど、車両の状態に関わるデータがクワトロの制御と協調されることで、車両制御を緻密に制御することができるようになったのが肝で、たとえばアンダーステアの回避なども高精度で可能になっています。

また、多板クラッチは前後方向のデフロック機構として作動し、横滑り防止装置であるESPに内蔵されたトルクベクタリングが横方向のデフロックとしての役割を果たすことで、高いトラクション能力を発揮できるとのこと。

20150909Audi TT A6_001

ESPを完全に解除して走るサーキット走行ならこうした制御も何となく分かりそうですが、一般道では高い速度域でも意のままにコントロールできる、という恩恵をもたらしてくれるのは間違いありません。

(塚田勝弘)

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この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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