着実に自動運転へ近づく、車線変更するZFのクルーズコントロール

ZFのそれは、車線キープ自動追従クルーズコントロール(アダプティブ・クルーズ・コントロール=ACC)中にウインカーをあげることで、自動的に車両が車線を変えてくれます。もちろん、ウインカーを上げた方向に、です。

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これをアウトバーンで体験しました。その自動車線変更時の車両挙動はいたってスムーズ。ほとんど横Gを感じることなく、スーッと車線変更が始まり、車線変更が終わります。

現状のクルーズコントロールは前走車に追い付くと、自動的に速度を下げて車間距離をキープしてくれますが、このときウインカーをあげれば追い越し車線に入って、追い越しが完了すれば反対のウインカーを上げれば、元の車線に戻る、というわけです。

車線変更を開始するキーとなるのはウインカーレバーであり、それを操作するのはいまのところ人間が周囲の状況を判断しなければなりません。

このシステムはまもなくおよそ1000ドル程度のオプションとして提供できそうだとのことです。

さらに進化させると、前走車に追い付いたとき、自車の周囲360°方向の交通状況を判断し、自動でウインカーを上げ、自動で追い越しを完了させるシステムも開発中とのこと。このためには追加する360°方向のセンサーも必要となり、およそ3000ドル程度のオプション価格を目指しているとのこと。

機械であるセンサーはヒューマンエラーよりも精度が上がっていくのは間違いないでしょうし、疲労や体調などとも基本的には関係しません(故障や劣化がないとは言いませんが)。人間が楽をするため、と言うよりも、長距離運転での疲労を軽減し、うっかりミスなどをカバーしてくれることでより事故に繋がるケースを減らしてくれるでしょう。

それをZFでは段階的に、着実に、現実的に進化させているのが、テストコースでないドイツ・アウトバーンだからこそ非常に強く体感しました。

(文・写真:clicccar編集長 小林 和久)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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