価格250万円のインプレッサハイブリッドがスバルのフラッグシップを超えた点とは?

シチュエーションによってはEV走行も可能なインプレッサ スポーツ ハイブリッドですが、トランスミッションケースに収められた駆動モーターは基本的にはエンジンをアシストする役割を担っている「マイルドハイブリッド」。

また、減速エネルギーを回生することでバッテリーの充電を行なうパラレルハイブリッドと呼ばれるタイプです。

そうしたモーターとエンジンをミックスさせたことによる、ターボエンジンとも異なる、なめらかな出力感は、このモデルが持つボクサー ハイブリッドの美点ですが、スバル・ボクサーエンジン内での比較であれば、メリットはそれだけではありません。

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前述のとおり「アイドリングストップ」からの再始動での振動やノイズが圧倒的に少ないのです。パラレルハイブリッドでは、駆動モーターによって、エンジンを始動させるタイプもありますが、スバルの場合はISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を使っています。

世の中にはISGだけでハイブリッドカーとして成立させているクルマもありますから、見方を変えれば、スバルのボクサー ハイブリッドは、2つのマイルドハイブリッドシステムを搭載しているともいえます。 

しかも、スバルの場合はISGに振り子式テンショナーを使っているのが特徴(XVハイブリッドから採用済み)で、この部分だけを見ても、かなり贅沢なシステムとなっていると感じられるのです。

その成果が、アイドリングストップからの再始動におけるスムースネスであり、高級感なのです。

こうした静粛性は、再始動時にセルモーターなどの音が気になるレガシィに大きく優るもので、インプレッサ スポーツ ハイブリッドが、フラッグシップを超えている部分。むしろ、レガシィにISGの採用を期待したくなるほどです。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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