MTが生産される山口県でマツダ・ロードスターに乗ってみた

マツダの強みは、ハウジングと呼ばれるアルミダイキャスト筐体の鋳造や加工、ギアの成形や焼入れまで一貫して内製している点だといいます。

前述した「ライトウェイトスムーストランスミッションハウジング」という表面がつるつるのケースにしても、単に表面が滑らかでリブがないわけではありません。

3次元的に厚みを変えて鋳造することで必要な強度や剛性を満たしながら、従来の5速MTと1kgしか変わらないというほど軽量さとスリムなケースを実現しています。こうした生産手法が可能になるのも車両開発と生産技術が一体となっているからこそなのです。

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過去のモデルとも異なり、また将来的にもロードスター専用となりそうなトルク容量(200Nm程度)の新開発6速マニュアルトランスミッション。開発時には、ロードスターのMTとして求められる「ドライバーがカチッと感じるシフト操作フィーリング」を進化させるために、要素を分解してデータ化したといいます。 

いくら設計段階でこだわっても製造の誤差が大きければ、絵に描いた餅になりかねません。しかし、内部で作ることにより、たとえば設計で考慮している許容範囲から、さらに精度を高めることができるといいます。それが、マツダがMTの内製にこだわる大きな理由なのでしょう。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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