MTが生産される山口県でマツダ・ロードスターに乗ってみた

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生産現場でも「ロードスター・オーナーが気持よくシフトできるために、どうすればいいか」を日々考えながら改善しているというロードスターのトランスミッション。その6速MT車に、防府工場を起点に山口県内で乗ることができました。

まず、シフト操作でいえば、力を抜いてゆっくりと操作したときでも、素早くチェンジしようとしたときでも、いずれもフィットしてくれるところが印象的です。ミッション内部のギア精度を上げているだけでなく、シフトレバーの根本部分など操作感に関わるパーツをしっかりと作り込んでいるからこそ、あらゆるシーンでドライバーの意思に応えるシフトフィーリングを実現しているのでしょう。

また、ギア比も絶妙に感じます。MTといってもときに燃費を意識したギア比を感じさせるモデルもありますが、ロードスターについては、ギアのステップ比とエンジンの力がバランスよく感じられ、市街地のゆっくりした走行においても、ギア比が離れすぎていて、ダイレクト感をスポイルするといったシーンは皆無なのです。

逆に、3-4-5速とシフトアップせずに、3-5速といったふうに4速をスキップした”飛ばしシフト” をすると、はっきりと違和感を覚えるギア比になっているように感じられました。

当たり前のことですが、しっかりとクラッチを切って、正しいタイミングでシフトチェンジをする必要があります。新型ロードスターの走りを味わうには、ドライビングの基本を守ることが大事だと、MTに教えられたのです。 

ちなみに、ロードスターの6速ATは外部のサプライヤーから購入しているもので、基本的にはFR車では広く使われているユニットです。だとすると、マツダの精神を、より色濃く感じられるのはMTのロードスターなのかもしれません。

AT限定免許でないならば、MTでロードスターを味わってみてはいかがでしょうか。

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(写真・文:山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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