明治日本の近代化を象徴するということで「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産のひとつに登録が決定した長崎県の端島、通称「軍艦島」です。
もともとは島というほどではない「瀬」であった部分を、炭鉱とするため明治時代から埋め立てを6度ほど行い、住居はもちろん、小中学校、病院、映画館、歓楽街もあったひとつの町に成長しました。長崎県にあり、長崎市に属しますが、離島であり船でアプローチするしかありません。
日本初の鉄筋コンクリート造の高層アパートが作られたり、テレビの普及率が日本一だったり、住民たちは現在の姿からは想像できない近代化された生活を送っていたとも言われます。
1974年(昭和49年)に炭鉱が閉山されてから無人島となっています。
写真を撮った2009年当時は、「このままの状態を維持」するのではなく、「このまま荒廃していく状態にしておく」という選択肢での世界遺産登録も考えられていると聞きました。が、今回世界遺産に登録されるのは、島の全部ではなく、石炭の生産施設や護岸部分であり、いわゆる廃墟としての部分は含まれていません。今後、どのように保存されていくのかなどにも、注目です。
(文・写真:clicccar編集長 小林 和久)