ちょっと酔いたい夜もある!? クルマ酔いを生身で検証しました。【ツボ押し、梅干、その効果は?】

地下鉄3駅で酔い、能面のように無表情になる知人と話していて思った事があります。
私が大人になってから、釣り舟も遠乗りも酔わないのは、酔い止めや、予防術のおかげ?それとも知らぬ間に完全克服したのか?
これは今一度、自分のノーガード時の乗り物酔いを観測する必要がある。
身を挺して、乗り物ライフにおける新しい自由の礎となるべし!

一説によると、酔いやすい条件が4つあるそうで。
①寝不足 ②空腹 ③読書やゲーム ④乱暴な運転
なんと!今日の私は、夜通し内職でほぼ完徹明け。押しも押されもせぬ寝不足です。
ラッキーな事に、この時点で超空腹。そして読書は大好物。4つの条件のうち3つを満たしている。これはもう絶対酔う!
最後の、乱暴な運転は。
「ねえ、ドライブに連れてってくれる?ちょっと酔いたい気分なの♪」
なんてオトコノコに電話をかけて・・・。失礼。そんなモテ子ちゃんなら、せっかくの日曜にこんなこと考えてないわけで。
そんな時は、そう。都バス!1回200円で都内を縦横無尽です。「乱暴な運転」をリクエストするわけには行きませんが。

ただ酔いしれるだけでは能がないので、対策グッズも携行します。
・酔い止め(帰り道に服用して比較検討) ・梅干(食べるなり、へそに貼るなり) ・乗り物酔いに効くツボメモ
準備も万全。目黒駅発、大井競馬場前行きに乗り込みます。この決死の調査、実は大井競馬場そばのでっかいホームセンターに行くついでの手慰み、とかそういう事は一切ない。本当。

無事にタイヤ上の揺れる席を確保して、早速読書開始です。
せっかくなので、今日の本は私の蔵書の中で唯一クルマの匂いのする1冊。鈴木修会長兼社長の自叙伝を。
2つ、3つと停留所が過ぎていきます。・・予想外に快適だな。

15分ほどで品川駅を通過しますが、いまだ酔わず。ちょっとアセってきます。もしや、本当に克服してしまったのか?
それはそれで困るんですけど。
そんな私の心配をよそに、30余年前のオサム会長は、社長に就任し逆風の中アルトを快調に売っています。

25分経過。変化は無し。やばい!このままでは、ただバスの中で本を読める自慢の人になってしまう!!
一方、自叙伝の中では新工場が元気に稼動を始めており。

・・・と、なんだか、胸に圧を感じます。頭が重くなる感じとともに生あくびも。
これは!ついにきたか?
気付けば、読書も遅々として進まず、目が同じ場所の上を繰り返し滑る。おかげで、若きオサム会長は何度もアメリカに出向くはめに。

ものの本によればここから血圧が乱高下したり、冷や汗が出たりするらしいけど。迷惑をかけてはいけないから、本物の吐き気を感じたら電光石火で降車ボタンを押すぞ!と堅く心に誓います。
しかし用心空しく容態の急変は見られず。
何となく体がグラっときて、おぷおぷとライトな胸焼け程度・・・。目線もかろうじてオサム会長を捉え続けています。
また、ツボ押しと腹式呼吸を試したところ案外効いてしまい、無駄に軽い回復を繰り返してしまいます。
これでは。これでは中途半端だ!もっと酔わせて、私を!!

心の叫びも届かず、バスは終点である大井競馬場に到着。

開催のないこの日、終点まで乗っているスットコドッコイは私だけです。
誰もいない競馬場のゲート前で一人おぷおぷ言う適齢期。撮影協力:警備員さん。

「あんたここで何やってんの」と聞かれ、「いや、あの、ば、バスが好きで・・。」嘘ついてすみません。
ああ。わたし本当に何やってんだろ。もう消えてなくなってしまいたい。

・・・なんて落ち込むわけもなく、いそいそとホムセンに向かい、植木を見回り、ウドンを食べたらほどなく全快しました。
帰りは一応酔い止めを飲むと、今回はもう1ミリも酔わない。まあ往路のタフネスを考えると、単に私がもう乗り物酔いをしない体なのかもしれないけど。
ちょっと寂しい気持ちと、オサム会長の経営哲学を胸に、おうちに帰りました。

というわけで、有意の差は得られなかったという結果に終わってしまった今回のホームセンターめぐり・・じゃなくて乗り物酔い調査。
自分の丈夫さが憎い。
あ、でもちょっと酔ったとき ・ゆったり座って腹式呼吸 ・手首内にある内関のツボ押し ・梅干をゆっくり食べる
これは軽く効いたような気もします。
お試しください。

この記事の著者

くぼきひろこ 近影

くぼきひろこ

もともと一族郎党モーター好きな家庭に生まれたんですが、なぜか私だけ車にあまり興味がなく…。偶然のご縁があってクリッカーと関わるようになりました。様々な車やその周りの人々と出会いに恵まれ、最近なんとなく「あれ?車、もしかしてすごく好きかも??」そんな思春期のような心持ちです。
知識も経験もほぼゼロからスタート。そして今も限りなくゼロに近いですが、車愛の萌芽をたよりに、いつか一番好きなスタイルを見つけられたらと思っています。
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