そして大きな変革は、やはりリヤサスペンションでしょう。これまでのトーションビーム式ではなく、完全な独立式サスペンションが装着されているのです。名前は解釈で変わってしまうので予想はできないのですが、おそらくダブルウィッシュボーンではないかと思います。
このTNGAを適用することで、新型プリウスは燃費を向上させながら、コストダウンし、しかもハンドリングもレベルアップさせるわけです。TNGAでのリリースから計算すると、JC08モードは35km/L前後になるようです。
新型プリウスの話題としては、ハイブリッドシステムの進化が盛り込まれることが予想されています。それはエンジンを切り離すクラッチを追加するというものです。
これまでのプラネタリーギヤを使った動力分割機構では、クラッチを一切持たず、停止から最高速までシームレスに加速させることが大きな特徴でした。美しい機構、といえるかもしれません。それにあえてクラッチをプラスするのは、ヨーロッパでの販売をより積極的に展開するためです。
プリウスのシステムでは100km/hになると、エンジンをスタートさせなければなりません。それはエンジンを停止させたままだとプラネタリーギヤの回転限界に達してしまうためで、否応なくエンジンをスタートさせるしかないのです。そのため高速燃費が伸び悩むことになり、ヨーロッパでの評価が低いものになってしまっているのです。
日本市場ではあまり重要ではない性能かもしれないので、輸出モデル専用になる可能性もあります。ともかくプリウスの進化が、これからのトヨタ車の大きな試金石になることでしょう。
(岡村神弥)