クルマとしての印象は静かなほかに、シートが大きめで座り心地がよく感じられます。フロントシートの下にはミライの命とも言える燃料電池そのものを含んだユニット「トヨタFCスタック」があり、リヤシートの下には高圧の水素ボンベがあります。そのため全体が大きくなった部分もあるでしょうが、シート自体は薄く作らざるを得なかったと言います。けれど、表皮材などを工夫してしっかりとしたシートに仕上がっているのは賞賛に値します。
国を挙げての水素プロジェクト。トヨタの威信にかけてぜったいに失敗は許されないクルマがトヨタ・ミライです。まだ誰もが乗れる価格、インフラ状況にあるとは言えませんが、少なくともミライ自体はクルマとして誰にも不満の出ない仕上がりになっています。水素にかけるトヨタの本気度は、ミライに乗ってみるとしっかりと伝わってくるのがよくわかりました。
(文・写真:clicccar編集長 小林和久)