【ギョーカイ先走り04】新型ステップワゴンは初代フィット並みのインパクト!?

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ミニバンの巨大なバックドアは、閉めようとする時にはドアハンドルは約190cmの高さにあります。身長178cmのボクには、難なく届く高さですが、これが160cmの女性だと精一杯の高さになります。日本女性の平均身長は158cm前後ですから、半数の女性にとってバックドアは閉められないドアということになります。閉められないものを開けるわけにも行かないので、つまり使えないドアということになります。

そのため荷物は2列目シートの足元に置くことになるわけです。多少大きな荷物でも、そのまま突っ込んでおけるのが、大きな室内空間のメリットです。そうなると右側にもスライドドアがないと、いちいちクルマを半周しなければならないんですね。

個人的には手荷物くらいならそのまま運転席の周りに置いておけるし、荷物ならバックドアを開けて…、と思っていたのは男の感覚だったわけです。

スライドドアはボディ剛性を大きく低下させ、重量も増やしてしまう悪魔のようなドアです。走行中に足元に風は入ってくるし、外から見るほど開口スペースは大きくない。だから少なければ少ないほど、クルマにとっては都合がいい。ルーフが低いと乗降性が大きく低下してしまいます。

それでも女性にとっては、とても重要なドアだったんですね。失礼しました。

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それが新型の『WAKU WAKU GATE!』に繋がっているのでしょう。使えないバックドアを、女性や子供たちにも使えるものにしよう! という新しい発明です。

バックドアは通常のように上下に開閉することができる他、左側半分をヒンジドアとしても開閉できるのです。これならドアの重さを気にすることもないし、閉める時に高いところに手を伸ばす必要もありません。女性にも、子供たちにも、扱えることでしょう。

後方のスペースがない時に、バックドアを開けることができない場合があります。ステップワゴンではバックドアは車体の後方に1m+程度(実測値)の張り出しがあるので、それプラス自分の身体の厚み分のスペースが必要になります。しかしヒンジドアは幅80cm前後(目測予想値)と短めで、なんなら少しだけ開けて…、いうことも可能です。

しかもホンダは、単なる簡単にアクセスできるバックドアでは納得しませんでした。ここから乗り込むことができるように、いくつかのアイディアを投入したようです。ホンダ流の低床フロアが、ここで生きてきます。ステップなしに直接フロアに乗り込める高さだからこそ、それが実現するわけです。

これまで3列目シートは左右一体で床下収納するスタイルでした。もし3列目が起きていると、かなりアクロバチックな体勢にならないと、乗り降りはできません。そこでホンダは左右分割で収納するスタイルへと変更しました。左側のシートを収納しておけば、そのまま車内へと乗り込むことができます。しかも、車内側から3列目の操作がしやすいようなアイディアを盛り込んでいるというのです。

これまでの3列目収納はバックドアを開けて、車外から操作するのが前提だったと思います。しかし、それでは乗り込んで、ドアを閉めて、3列目を起こして、という動作をすることができない。それを新しい手法で改善したわけです。