塩水で走る電気自動車が公道テストへ!

FCV(燃料電池車)が水素を使って発電するのに対して、このEVは2層のタンクに充填した2種の塩水溶液の酸化還元反応を利用して発電するのが特徴。 

全長が5mを超える大型4シーターモデルで、心臓部には発電用の「ナノフローセル(nanoFLOWCELL)」を搭載。航続距離600kmを実現しています。 

QUANT-e-Sportlimousine

各ホイールに120kWの三相誘導モーターを配した4輪駆動式で最高出力は925ps。 

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(出展 nanoFlowcell AG)

2種の塩水溶液(合計400L)をイオン交換膜で分離、ポンプで溶液を循環させると膜部で酸化還元反応によるイオン交換が起きて電力を発生する仕組み。 

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出力電力(30kW)を大容量のスーパーキャパシタに一旦蓄えた後、瞬時にロス無くモーターに供給することで、全長5.26m、全幅2m、全高1.36m、重量2.3トンの車体を0-100km/h加速2.8秒、最高速度380kmまで引っ張ると言います。 

「ナノフローセル」社によればこの発電技術は自動車にお限らず、各種分野に応用が可能としており、今後の事業展開への意気込みをみせているようです。 

■nanoFlowcell AG  Webサイト
http://www.nanoflowcell.com/#home

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 (Avanti Yasunori)  

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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