日本でのシェアは10%くらいのようですが、スマホの世界シェアでトップを快走するのがサムスン。日本では「GALAXY」のブランドで知られているのがご存じのとおり。また、「Eisan bike」というメーカーがサムスン製バッテリーを使い、6万円を切る電動アシスト自転車を発売したことで自転車業界などで話題になりました。
そのサムスングループとサムスン電子が電気自動車(EV)市場に参入するというニュースが一部で流れています。
EVへの参入については、公式な発表はありませんので真意は定かではありませんが、リチウムイオン電池で独ボッシュと合弁会社を作っていたこともあるサムスンSDIは、フォルクスワーゲンやBMW、クライスラーなどにEV用バッテリーを供給しており、車載用電池を含めた民生用リチウムイオン電池でも世界トップを快走。
今回のニュースは、EVに利用できる部品や技術などをアメリカと韓国で特許を申請したというのが根拠のようです。いまや自動車メーカーでなくても参入できるのがEVの特徴であり、アメリカのテスラに代表されるベンチャー企業や部品メーカーなどがEVを作って売り出しても誰も驚きません。
しかし、クルマ好きならご存じのように三星自動車として1998年から「SM5」というセダンをリリースしており、日産の技術協力を得て自動車業界に参入し、現在はルノー・サムスン自動車というルノー・日産アライアンスの傘下に入ったという経緯からもサムスンにとっては苦い経験かもしれません。
さらに、11月にはルノー・日産アライアンスと三菱自動車の協力関係を検討というリリースが出されていますが、ルノーの車両をベースとした三菱ブランドの新型セダン2種類を投入する予定で、第1弾となる北米向けはルノー・サムスン自動車の釜山の工場での生産を予定しているとのこと。
いまではサムスングループから離れているルノー・サムスン自動車ですから、EV参入に際して協業などの可能性があるか分かりません。しかし、韓国という地の利を活かして自社製リチウムイオン電池を搭載し、EVの世界でもシェアをつかんでいくという戦略があっても不思議ではありません。
(塚田勝弘)