第43回東京モーターショーの開催に合わせて、第1回から42回迄を掲載した「歴代東京モーターショーのすべて」が出版されました。ページをめくると、古すぎてわからなかったり、懐かしかったり、またドキドキワクワクしたりした当時の出展車両が紹介されています。読んでいる内に、今回のショーモデルのご先祖さまに当たるクルマを何台か見つけました。そこで温故知新ではありませんが「歴代東京モーターショーのすべて」と見比べながら、今回のモーターショーの見処を紹介したいと思います。まずは1970年代迄を見てみましょう。
■第4回1957年 プリンス・スカイライン→インフィニティ・スカイライン
第4回記事のとおり、もともとスカイライン、日産ではなくプリンスのクルマでした。今回新型v37スカイラインは、インフィニティバッチをつけてデビューした訳ですが、これでブランドのバッチは3つ目なのですね。何やら複雑な心境・・・。また国内ではハイブリッド専用車として生まれ変わった訳ですが、中国では直4・2L直噴のダウンサイジングターボを搭載するとのこと。このエンジンでMT仕様なら、国内でも面白いんじゃないかしら?
■第9回1962年 ホンダS360→S660コンセプト
ミッドシップレイアウトのS660コンセプトは、スタイルもパッケージングもどう見てもビートですが、志はピュア・コンパクトスポーツのホンダS360にあります。今回のモーターショーでは、ホンダは50年を時を超えてS360を復刻して出展しています。小さいながらとても存在感があって、かつての名車を新車コンデションで見れるのも嬉しいですね。
■第14回1967年 日産ブルーバード→ IDx FREEFLOW
日産恒例のサプライズカーは、デジタルネイティブの若者世代が「自分たちが欲しいクルマ」というコンセプトで開発した「IDx FREEFLOW」。最初ハコスカに似ていると思いましたが、よく見るとサイズ感や佇まいに510型ブルーバードの面影を感じました。ショーの反響次第では市販もあるかも?とのこと。若者よりもオヤジ世代が反応すると思いますゾ。出すなら、是非ともFRでお願いします!
■第18回1971年 スバルレオーネ→ レヴォーグ
スバル4WDツーリングワゴンの祖といえばレオーネですが、当初はFFの2ドアハードトップからスタートしていました。第18回でのレオーネの展示では、ボディをガバッと持ち上げて水平対向エンジンを訴求。スバルは第15回でもスバル1000をバラバラに空中分解して展示していますから、空間を使う見せ方が大好きなのですネ。
■第21回1975年 マツダコスモ→ アテンザ・アクセラ
マツダは第21回に真っ赤なコスモを出展していましたが、今回はブース全体を赤いソウルレッド一色で埋め尽くしました。かつては孤高のロータリーエンジンで、そしてまた現在では独創の魂動デザインとスカイアクティブ技術で新たなアイデンティティを確立したマツダ。いつの時代でも、マツダには情熱と魂のレッドがとてもよく似合います。
次は、80年代以降を見ていきたいと思います。
(拓波幸としひいろ)