マイナーチェンジしたレクサスRXは、スポーティな走りと適度に引き締まった上質な乗り心地を両立【レクサスRX試乗記】

■マイナーチェンジで熟成されたRXを味わい尽くすなら「“F SPORT”」がベストチョイス!?

2019年8月下旬から発売されているレクサス・RXのマイナーチェンジモデルは、乗り心地と操縦安定性の向上が図られています。

構造用接着剤の使用範囲の延長、スポット溶接の打点を増やすなどのボディ剛性の向上、サスペンション関連ではハブベアリングの剛性向上、スタビライザーバーの剛性を上げることでアンダーステアの軽減とロールの低減を図るなど、多岐に及ぶ改良により実現したもの。

レクサス RX
レクサスRX450h “F SPORT”の走り

また、ダンパーにフリクション・コントロール・デバイス(シリンダー内部にゴムを組み込んだ構造で、油圧では制御できない高周波振動を低減)が追加され、路面からの微小な入力による高周波振動を低減。フラットな乗り味と操舵時の応答性向上を得ています。

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ダークメタリック塗装の235/55R20タイヤ&“F SPORT”専用アルミホイールを装着する

加えて、アクセルを踏み込んだ際に発生しやすいアンダーステアを抑制するアクティブコーナリングアシストACA(Active Cornering Assist)の採用や、EPS(電動パワーステアリング)のチューニングなど、徹底的な改良を加えることで、リニアなステアリングフィールと思い描いたラインを正確にトレースできる高いハンドリング性能を得ています。

こうして、マイナーチェンジで手を入れられる範囲に改良を施すことで、3列シートのRX450hLでも乗り心地の改善、気持ちのいいハンドリングが得られています。

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レクサスRX450h “F SPORT”はスポーティかつ上質な走りが楽しめる

中でもより走りを楽しめるのが、スポーティ仕様である「“F SPORT”」。試乗したのは「RX450h “F SPORT”」で、前後にヤマハ製のパフォーマンスダンパー、電動アクティブスタビライザーを標準装備しています。

車体制振ダンパーであるヤマハのパフォーマンスダンパーは、乗り心地の向上はもちろんハンドリング性能を引き上げることが可能。開発陣が同じ仕様でパフォーマンスダンパー「あり」「なし」を比較すると、乗り心地の向上、ハンドリング、操縦安定性の明確な向上が確認できたそう。

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レクサスRX450hのインパネ

3列シートの「RX450hL」から2列シートの「RX450h “F SPORT”」に乗り替えると、振動と騒音の低減はもちろん、より軽快でギュッと引き締まったボディ剛性感が伝わってきます。よりフラット感が増し、“F SPORT”らしいソリッドな乗り心地を感じさせながらも上質さがさらに増した雰囲気。

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レクサスRX450hの前席
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レクサスRX450hのリヤシート

また、「“F SPORT”」に標準装備のアクティブスタビライザーの効果も明らかで、狭い山道を走らせる機会がありましたが、電動で瞬時にロールを抑えることで、ボディのふらつきがより少なく、ボディコントロール性の高さがヒシヒシと伝わってきます。着座位置が高くなるRXでもワインディングで走りを楽しめるのが「“F SPORT”」の魅力といえそうです。

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3.5L V6エンジンとモーターを組み合わせるハイブリッド仕様

今回のレクサスRXのマイナーチェンジでは、パワートレーンに手は入れられていません。試乗したRX450hは、262PS/335Nmの3.5L V6エンジンに、2WDは1モーター、E-FourのAWDは、2モーターの組み合わせ。発進時からスムーズで力強く、高速巡航時からさらに容易に加速が引き出せるなど、熟成極まったハイブリッド仕様を堪能できます。

(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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