3ドアボディに152ps、21.0kgmにチューンされたターボエンジン搭載の「Vitz GRMN Turbo」が200台限定(270万円)で8月25日からWeb上で販売されるなど、改めて注目を集めているコンパクトハッチ、トヨタ「ヴィッツ」。
その欧州版、「ヤリス」の3ドアモデルをベースにレーシングタイプのHVシステムを搭載した4WDマシン、「ヤリス ハイブリッド Rコンセプト」がフランクフルトモーターショー2013に登場しました。
欧州トヨタが出展したコンセプトカーで、心臓部には最高出力300psを発揮する「GRE」仕様の1.6L直4直噴ターボエンジを搭載しています。
「GRE」とは、FIA(国際自動車連盟)が定めているモータースポーツ用の1.6L直噴ターボエンジンの規格。
このエンジンはTMG(トヨタ・モータースポーツ Gmbh)がFIAのレギュレーションに沿って開発したもの。
6速シーケンシャルミッションと、HV用の2次電池、3個のモーター(発電用に1個、駆動用に2個)の組合せでシステム総出力420psを発生。
欧州のヤリスHVやアクアの60馬力級モーターを使用しており、リヤに左右独立で搭載、左右モーター間のトルク調整でヨーをコントロールする仕組みで、リヤモーターによるアシストはロードモードで40ps、トラックモードで120psとか。
そして更に注目されるのが蓄電装置として採用された「スーパー・キャパシター」。
コンデンサーの一種で、WEC(世界耐久選手権)に参戦中の同社のHVレーシングカー「TS030」に採用されており、ニッケル水素バッテリーに比べて充放電のレスポンスが素早く、パワー密度が高いのが特徴。
「スーパー・キャパシター」の搭載でモーター駆動による鋭い加速力が得られます。
キャパシターはMAZDAが新型「アテンザ」の減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」で初採用、またホンダも新型「フィット」の1.3Lモデル」で採用するなど、アイドリングストップ追加に伴う大電力の出し入れが素早く、減速時の回生量を多くとれることから、量販車でも蓄電器としての利用が活発化しています。
トヨタが採用したキャパシターはレーシングカー開発で培ったノウハウを移植したものですが、何らかの形で今後の市販車へのフィードバックの可能性も。
そう言えば、2011年の東京オートサロンに同社が出展した本格EVスポーツ「トヨタ テセラ」にもターボ代わりに搭載されていました。
18インチホイール+225タイヤの装着で凄みを増した「ヤリス ハイブリッド Rコンセプト」の今後のレースシーンでの活躍が注目されます。
■トヨタ ヨーロッパ Yaris Webサイト
http://www.toyota-europe.com/cars/new_cars/yaris/index.tmex
■トヨタVitz GRMN Turbo
http://gazoo.com/GRMN/Vitz_Turbo/
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