夏のレジャーに活躍するファミリーカー5車種

今年も民族大移動・夏の陣が近づいてまいりました。

普段はすれ違いがちの家族が、時に楽しく、時にまったりと過ごす夏休み。海へ山へのレジャー、優しいおじいちゃんおばあちゃんを訪ねに行く帰省。

スーパーへの買い出しやパパ・ママ・キッズの送迎専用車と化しているマイカーも、ここぞとばかりに大活躍するシーズンです。渋滞を含めたかなりの時間を過ごすマイカー。夏の思い出=移動の思い出といってもいいでしょう。

そんなファミリーユースの観点から、ロングドライブでも安心、かつ燃費にも胸をはれるモデルをチョイスしてみました。

パパにも“頂点”を味あわせてくれるミニバン
アルファード/ヴェルファイア

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おなじみ、ミニバンのトップ・オブ・トヨタ。エアラインのファーストクラスもかくや、というもてなし感あふれるシートは快適な“陸の旅”が堪能できます。

重量級クルーザーでありながら、環境とお財布へのエクスキューズとして、ハイブリッドも用意されるスキのなさ。会社で上司部下にはさまれ心身ともに肩身の狭い思いをしているパパも、たまには奥方にステアリングを握らせ、エグゼクティブ気分を味わってみるのはいかがでしょうか。トヨタの頂点ということは、国産車で最強。もちろん世界を見ればベンツVクラスのような輸入車勢はいますが、こちらのルーツは人間を運ぶ「ピープルムーバー」。もてなし力はトヨタが上回ります。

また、ドレスアップパーツも豊富。街ゆく同型車が気になるなら、自分オリジナルに仕上げるパーツも星の数ほどあります。ヘッドランプや内装パネルにシャンパンゴールドの特別仕様が施されるグレード「ヴェルファイア・ゴールデンアイズ」も人気です。

クルマ好きをソソる最新技術をインストール
マツダ・ビアンテ

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超激戦区の2リッターミニバンのカテゴリー。「最新」を求めるのであれば、ビアンテもオススメです。このジャンルの“ツートップ”であるセレナ、ステップワゴンはどちらも2009~2010年の発表。いちばん最近の改良でも2012年ですから、フレッシュさに欠けます。トヨタのヴォクシー/ノアにいたっては2007年デビューですから、賞味期限としてはかなり見劣りしてしまいます。

かたやビアンテは、この2013年5月にマイナーチェンジされたばかり。それもかなり大規模な内容です。エンジンラインナップを2リッターに絞り込み、最新の変速器「スカイアクティブ・ドライブ」が与えられました(FF車)。そのキビキビ感は、さすがマツダの技術力の結晶。

パワートレーンを含めた「スカイアクティブテクノロジー」。会社が浮くも沈むも、マツダはこのスカイアクティブに託しているのです。技術陣・経営陣の大英断、そんな会社を背負うテクノロジーがビアンテに搭載されているのだから、とても誇らしいことです。

大きくスライドする2列目シートの使い勝手のよさ、8名がゆったりと過ごせる空間を含め、ミニバンとしての基本性能は平均点以上を与えられる作りです。

 

86のルーツを味わえるキビキビ感
ラクティス&トレジア

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少々強引かもしれませんが、先代ラクティスのチーフエンジニアは、トヨタ86を手掛けた多田哲哉さん。それまでスペース効率重視だった「ファンカーゴ」を、モデルチェンジを機に名前も変え全高を切り詰め、ドライブの楽しい「キビキビ走るコンパクトカー」へと大きく路線変更させたのが多田さんです。

現在のラクティスも、全高は1600mm以下、1.3リッターのグレードなら車両重量1tそこそこと、同クラス車よりも200kg近くも軽く仕上がっています。これは間違いなく“多田イズム”の継承です。

ラクティスの兄弟車は、スバル・トレジア。開発スタート時から、トヨタ=スバル共同で開発が進められ、サスペンションの仕立てもトヨタとスバルでセッティングを細かく変えています。

そう、86/BRZよりひと足速くトヨタ=スバルのジョイントベンチャーだったのが、このラクティスなのです。一見フツーに見えるコンパクトカーに秘められたストーリー、そこに刺さる人なら、選んでソンはありません。

 

嫌味なく、生活レベルを高く見せてくれる
アテンザワゴン

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P1J05805sマニアックと言われようとも、我が道を突き進むマツダ。その“突き抜けた”クルマ作りは、お父さんへ元気を与えてくれるでしょう。そして、やみくもに大きな目標を設定せず、ブランドを愛してくれる顧客に、しっかりと応える商品をリリースする姿勢。これはぜひ明日からでも見習って、自分を支えてくれる愛妻のために、ちょっとしたプレゼントでも買ってあげるのはいかがでしょうか。夏休みはそんなサプライズのチャンスでもあります。

そんな仲睦ましい夫婦を演出するのにふさわしいのがアテンザ。ファミリーカーとしての観点からは、セダンではなくワゴンがいいでしょう。400万円以上の予算があるのなら、欧州メーカーの多くのワゴンが視野に入ってきますが、あえてのアテンザ、あえてのクリーンディーゼルを選ぶのが「身の程をわきまえてる感」を演出するうえで重要です。

国産唯一のマニュアルミッションを選ぶためには、奥様がAT限定でないことが条件となりますが、アテンザを選ぶ世代の多くは、AT限定が施行される前のゾーンでしょうから、マニュアルを駆る美熟女、というのもぜひ見てみたいと思います。

 

小さくたって堂々の走り
ソリオ&バンディット

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ガレージのスペースの制限などで、どうしても大きなサイズのファミリーカーを購入することができない層などに、根強い人気なのがスズキ・ソリオです。ベースは軽自動車のパレット(現在はスペーシアに改名)。それだけにボディサイズはコンパクト。全長は軽自動車の規制値(3395mm)よりわずかだけ長い、3710mmしかありません。

しかしながら、ただの軽自動車の拡幅版でないのがソリオ。メカニズムの多くをスイフトと共用しているのです。これは走りの楽しさを狙ったもの。ヨーロッパで評価の高いスイフトの走りを味わうことができます。なおかつ燃費も20km/Lを超えています。

選ぶなら、なるべくファミリー臭の抑えられた“ちょいワル”フェイスの「バンディット」もいいですが、ベースのソリオに設定されている限定車「ブラック&ホワイト」もオススメ。チェッカーフラッグ柄を内外装に配しながら、シブめにまとめています。

(畑澤清志)