こんなミニバンがあったんだ!常識破ってるマツダビアンテ

前回までは、ビアンテの変速機のこと外から見た印象などを書いてみました。

マツダビアンテ_10

走り出してそのシッカリ感には驚かされたんですが、さらに走ると「なるほど!」と思わせてくれます。

静かにアクセルを開けていくと、回転が上がってすぐに車速が一緒に上がっていくのが感じられます。

トルコンが流体でつながっている部分が最小限で、すぐロックアップが働いて直結状態になっているのでしょう。最初の説明通りに。

イメージとしてはフォルクスワーゲンのDSGに近いようにスイ、スイ、スイっと車速が上がってすぐにシフトアップというのが割と低回転で早めに行われる感覚です。

しっかりしたステアフィールとともに、気持ち良く走れます。

高速に入ってみました。

料金所から流入にかけても、直結感のある加速です。

途中で緩い坂道に差し掛かり、速度を一定に保つためアクセルをジワジワっと開けていくと、比較的すぐにシフトダウンします。燃費のためにはシフトダウンせずにそのままアクセルを開けるほうがいいのかと思ったらそうじゃないそうです。

エンジンの燃費に対して美味しい回転数を積極的に使うほうがいい、確かに当たり前と言えば当たり前。故に、高速ギアで粘らず、比較的簡単にシフトダウンして、すぐにクラッチがつながるからロスはほとんどないというわけですかね。

ここでも、なんとなく考えていた常識が違ってましたね。ギヤは高いほど燃費が良くなるって感覚。

マツダビアンテ_20さらに、今度のビアンテについたステアリングのシフトスイッチ。ダウンをポンポンと2度押すとギヤは2段下がるんですが、そのとき「フォン、フォン!」と回転数を合わせるブリッピングが自動的に入ります。

ミニバンなのに必要なの?という気もしますが、そこはズームズームなミニバン、必要なんです。結構楽しくなって、マニュアル操作したくなります。

実は私はこのビアンテのおじいさんに当るくらいのクルマを所有してるんですが、正直うらやましい走りです。おそらく燃費も倍くらいいいんじゃないでしょうか。走りも格段にいいです。

改めて、マツダのクルマは個性的なんだなと感じました。

マツダビアンテ_12

他社のミニバンは少しずつ違いがありますが、その違いが数%とすれば、ビアンテは他社のミニバンと数十%くらい違う気がします。

そう考えると「へんな顔」と思ってたフロントマスクのデザインも「まあ個性かな」と思えてきました。

ミドルクラスのミニバンを検討するようでしたらぜひビアンテも比較してみて下さい。

意外にハマるかも知れませんよ。

(小林和久)

 

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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