これは言っておきたい! 消費税と原発のアンケート調査を受け、いろいろ考えさせられた

〈Mondaytalk星島浩/自伝的爺ぃの独り言51〉 たぶんに私は「変わり者」か「ヘソ曲がり」なんだろうネ—-アンケート調査員に嫌われたり食ってかかられたりしたほどだもの。

 

 最近では経済問題—-アベノミクスなんだそうで。

 

 このところ毎日の話題が株価だ。株価が上がれば、株を保有する法人や個人の資産が増える。その豊かさが、株を持たない人たちにも恩恵をもたらすと考えたい。

 

 一方、日用品や食材の値上がりが家計を圧迫し始めた。月給やボーナスが増えた人は良しとして、収入が上がらない小企業勤めやパートで働く人、母子家庭、高齢者たちには、家計を圧迫。電気、灯油なども高くなり、ほどなく消費税増税が迫ってくる。アベノリスクでなければいいが。

 

 大胆な金融緩和。言い換えれば「お札」を大量に刷って「さァ使え」と。案の定、円の値打ちが急降下した。ほんとに、これでいいのかなァ。

 

 自動車メーカーは輸出で儲かり、ウハウハしている。利益を下請け企業にも分けてやってほしいよネ。もっとも、原材料が高騰したら、国内販売価格も上がるだろうし。輸入車は当然、値上げ時機を待ち構えているョ—-新型ゴルフが安いなんて褒められてるけど、標準的1.2L機種が1.6Lで安全装備充実のボルボV40より高かったらヘンだもの。

  

 増税前の駆け込み需要は住宅が筆頭か。備え付ける家具調度が増税分でチャラになる。その次が自動車かしら。とりあえず、低燃費車かなァ。でもカタログ燃費は、走り方にもよるけど、せいせい70%がいいとこだからネ。

 

 消費税に関するアンケートには「昔は賛成・今はどちらとも言えない」と応えた—-消費税が諸外国と比べて低かった崩壊前のバブル景気時代に10%か15%に上げておけば良かったかもしれない。今は辛いでしょ、と。

                                       20130708

 原発関係のアンケートに振り回されたのは1年半ほど前。新聞社系協力機関から調査を2件受けた。品川駅頭で反対署名集めが盛んだった頃だ。

 無作為で選ばれたという電話アンケートは調査員が女性。80歳寸前である旨、告げると、些か落胆の気配が伝わってくる。それは当方のヒガミとして、調査が、予め「原発反対」を期待していると思えるフシが気に入らなかった。

 

 当方は「原発稼働賛成」である。

 

 調査員が執拗に「放射能汚染」を説き、それでも賛成するのか、と念を押してくる。誘導尋問なのか、あるいは当方を「年寄りで無知」と思い込んだか。

 

 そこで「放射能の怖ろしさなら十分承知」として、原爆が投下された5日後、身を寄せていた呉市から海軍のトラックに便乗し、叔母の実家がある宇品まで焼け野が原の広島市内を歩いて目にした惨状や、ために私自身も放射能被曝を疑われたと話す。事実、原爆症認定条件に適っていた。

 因みに、敗戦後まもなく受けた健康診断で、いきなり甲状腺あたりを触診された。放射能被曝が人体にどう影響するのか。アメリカでは原爆投下前から分かっていたのサ—-認定を受ければ、以後の医療費がタダになるのはありがたいものの、毎月の採血など検査結果がアメリカに送られると聞いてイヤになる。

  

 むろん原爆と原発は違う。北米横断ドライブやフランス旅行では数多くの原発を遠望。ドイツでは見ていない。原発有無にはそれぞれ言い分があろう。

 

 現在日本には、ほとんど稼働していないものの、原発が50基ある。

 建設が盛んに行われた頃、私は100基でも足りないのでは? と考えていた。なにしろ資源が乏しく原油ばかりか、食糧さえ輸入に頼らざるを得ない日本である。食べる物に困らないアメリカやフランスとは比ぶるべくもない。世界中で天然ガスが有り余り、うんと安く買えると嬉しいけど—-。

 

 いきおい日本は工業立国でなければならず。エネルギー源を原発に求めて世界一電気が安価で豊富な国にすべきだと考えた。電気代が安いだけじゃないョ。温室効果ガス排出量だって減るに違いないし—-。

 

 本州・四国間に3本も橋を架けるくらいなら、まだ遅くない、もっと原発を増やして電気王国にする。単純すぎる発想かもしれないが、電気が世界一安ければ、労働コスト削減目的で工場を海外に移すなど、国内産業を空洞化させる不安は小さかったろうし、雇用も維持できるでしょ? ただし、その時点で、御用済み原発の廃炉が厄介で、どれほどカネがかかるのか、には思い及ばなかった。

 

 国が豊かで、円の値打ちが高ければ、食糧だって買える。農産物がほとんど穫れず、水さえ買わなければならない香港・九龍に1000万を超える人たちが暮らしているんだからねェ—-為政者が英国、日本、反共国、共産国と、コロコロ替わったのに、中国本土から送られてくる水が一滴だって止まったことはない。

  

 工業に限らない。フランスの家庭がガスではなく、ほとんど電気で調理していると知ったのはプジョー本社のショールームだが、電気が豊富で安ければ、日本の暮らしも変わったろう。ガスより電気が、より安全だし。

 

 

 ただ当時は電気でクルマを走らせることに考えが至らなかった。鉛バッテリーに代わるリチウムイオン電池が高価で、充電インフラも極めて乏しいものの、これらが解決し、電気が安ければ、欧米に比べて短い移動距離で事足りる日本はEV普及に有利かもしれない。

 

 もちろん 放射能漏れなどを防ぐ安全確保は最重要課題である。

 

 が、原発反対論には「殺人事件が起きたから、包丁禁止」に類する声もチラホラ。福島原発事故は予想を超える津波が主原因だとしても、直接原因は電気の断線であったり、冷却水系統のパイプやバルブ破損—-。天災ではなく人災だ。数億円の超高性能レーシングマシンが、僅か数円のナット、ビス、ワッシャー類の緩みでレースを失うのに似るが、損害の大きさは数億ではない、原発事故による被害は数兆円にも及ぶ4ケタ違いなのだ。

 

 とても安全を保てないのだから反対、ではなく、ゼッタイ安全を期して再稼働賛成、さらなる増設も良かろう、と締めくくった。私の意見が、調査結果発表に、どう反映したかは知らない。

 

 実を言うと、原発100基論は私が江東区在住時代に知り合っていた某衆院議員に話したものの、取り合ってもらえなかった。ほぼ私と同年配で、木場の大親分を後ろ盾に当時の東京6区から立候補して初当選。会えば立ち話できる程度の仲ながら、パリでも出逢って「お茶」をご一緒したっけ。

 

 今となっては、せんない繰り言。私が最も嫌う「結果論」にすぎない。しかも、今回の話は、クルマに、ほんのちょっとカスっただけだったネ。★

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