米国に於ける2013年1月~5月末までの販売累計ランキング&市場シェアはトヨタが第3位で14.2%、ホンダが第5位で9.5%、日産が第6位で8.1%、スバルが第10位で2.6%となっており、今年に入っても日本勢は好調な販売が続いています。
そうした中、ブルーバーグが伝えるところによると、米自動車業界が日産がなりふり構わず米国市場でシェアを拡大していることに懸念を強めていると言います。
これは同社の5月度の販売台数が11.4万台と前年比で25%近く急増していることが背景となっている模様。
日産は5月に7モデルの値下げとインセンティブ(販売奨励金)の増強を行なったようで、結果的に同月の販売が米自動車業界全体の伸びである8.2%を大幅に超越。
トヨタやホンダと比較しても確かにその伸び代の大きさは一目瞭然です。
米自動車業界は日産の販売急増に神経を尖らせているようで、日本が自国の景気回復の為に推し進めた「円安」を日産が米国内での「値下げ」に活用していると警戒。
2009年のGMやクライスラーの経営破綻・フォードの事業再編以降、米自動車業界が維持してきた値下げに関する規律を揺るがしかねないとして、日産の過剰なリベートや値下げを懸念しているという訳です。
日産は米国でアルティマが健闘しているものの、好調なホンダに比べて他にヒットモデルが無く、昨年の米国に於ける年間累計販売でホンダに約28万台もの差をつけられており、今年に入って追い上げるも、半年で既に約9万台の開きが出ている状況。
売上高でもホンダと接戦を繰り広げている同社としては「何とかホンダを抜きたい」と焦る余り、米国自動車業界の生態系をも崩す恐れが出て来たという事なのかも。
米国側は日産が更なる追加値下げに出る事を懸念しているようで、これに他の日本車メーカーが追従することを大いに危惧しているようです。
ここは一つ、米自動車業界との間で無用な軋轢を生むよりも、共存共栄路線に立ち返るべきなのかもしれません。
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