ホンダは2016年度までに「世界販売600万台以上」を目指しており、従来市場での販売を206万台から300万台へ、新興国市場での販売を現状から倍増の300万台としています。

その販売目標達成に向け、2012年9月21日に伊東社長が発表した「成長戦略」に沿って、同年11月に「ロサンゼルス・オートショー」でAcura(アキュラ)の新型フラッグシップセダン「RLX」を、翌2013年1月には「デトロイト・モーターショー2013」でAcuraのSUV新型「MDX」や次期Acura「NSX」進化版を次々にワールドプレミア、発売予定を告知してきました。

成長戦略には「2015年までにAcuraの全モデルを一新する」という目標が掲げられており、総額10億ドル(約920億円)を注ぎ込んで「Acura」ブランドのてこ入れを推進しているようです。

と言うのもブルームバーグによると、「Acura」の2012年の世界販売台数は約17.8万台で、うち約9割を占める米国販売は2005年に記録した過去最高の21万台を25%程度下回っており、1986年にいち早く米国に高級車ブランドを展開したものの、現在もインセンティブを付けて販売せざるを得ない状況とか。
一方、北米展開後24年が経過した「Lexus」は2000年から2011年まで米国における高級車の販売台数で首位の座を維持するなど、大胆なデザイン改革が奏功。

「Lexus」の2012年度世界販売台数は政情理由で販売が落ち込んだ中国を含めても、前年比18%増の47.6万台と好調に推移。
2013年度は販売台数の約半数を占める北米で、1月時点の実績が前月比32%増となるなど好調で、今後は主力の北米以外の東南アジア市場も開拓して行く模様。
アメリカンホンダによると、「Acuraの最大の難点は高級車分野において手頃な価格帯の製品を提供するブランドと見なされている点」としており、感情に訴えかける要素の強化が必要と考えている模様。

ホンダは米国でのテクノロジー・リーダーとしての信頼を取り戻すことで現状のインセンティブに頼った販売体制から抜け出そうとしており、矢継ぎ早の魅力有る新モデルへの刷新により「Acura」ブランドの立て直しを図っているという訳です。

また産経新聞によると、ホンダは2014年を目処に「Acura」の新興国展開に乗り出す模様。
ロシア、ウクライナのほか、サウジアラビアなど中東地域に投入して年1万台程度の販売を狙うようで、富裕層が増えている新興国を軸に販売を拡大、ブランド力の向上に繋げる計画。
さらに2015年にはブラジルでも発売する計画とか。新興国では当面、販売規模が小さいことからホンダブランドの店舗で併売するようです。

高級車はやはり収益性が高く、この分野で先行するトヨタは「Lexus」を約70カ国で展開しており、日産も「INFINITI(インフィ二ティ)」を約50カ国で十数万台規模で販売中。
世界販売で600万台/年以上を目指すホンダにとって「Acura」ブランドに力を入れるのは当然の流れと言えそうです。
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