新型クラウン開発に「WOW!と言わせるデザインにしてくれ!」と指令を出したのはモリゾウ社長だった!

クルマ誌がスクープした新型トヨタクラウンの写真には、ビックリ仰天!しました。何しろロイヤルは「コアラ鼻にブルドック口」、アスリートに至っては「取って付けたガンダムパーツ」に見えましたもの。発売当日、アムラックス東京で実車を見た際には「高級感溢れる立体造形グリル」のカッコ良さと迫力に、今度は2度目のビックリ仰天!「伝統」と「革新」がせめぎあうのがクラウンの歴史ですが、実は、新型クラウンのデザインで「ビックリ仰天」を仕掛けたのは、他ならぬ「モリゾウ社長」だったのです!

■技術とデザインの両面から「新たなる革新への挑戦」を目指せ!

新型クラウン開発責任者の山本CE(チーフエンジニア)は、「トヨタに入ったからにはクラウンをやりたい!」という熱いハートの持ち主。伝統あるクラウンを解釈するために、先輩CE、クラウンユーザーの役員、販売現場を訪ね歩きました。そして「クラウンの伝統とは保守ではない!」「守るべき伝統を軸に、革新へ挑戦し続ける!」ことが、長く引き継がれてきたクラウンの精神であると見定めたのです。14代目となる新型クラウンでは、コンセプトに「新たなる革新への挑戦」を掲げ、技術とデザインの両面から「革新」を目指しました。

■技術の「革新」:新開発の「FRハイブリッド」と「エアコン用タッチパネル」!

技術面での「革新」で取り組んだのが、ハイブリッド(HV)とタッチパネルでした。最新のFR用HVユニットは直4・2.5Lをベースに「3L級のパワー」と「コンパクトカー並の燃費」を見事に両立!社内では6気筒エンジンへの強いこだわりから4気筒の搭載はもめたそうですが、HVの仕上がりに誰もが納得したそうです。エアコン操作についても、クラウンを長く乗り継ぐ年輩ユーザーへの配慮から、スイッチやダイヤルの大幅変更はタブーでした。そこを「革新」の精神で、タッチパネルに切り替えたのですね。慣れない画面デザインも試行錯誤の結果、見やすく使いやすいタッチパネルに仕上がりました。

■デザインの「革新」:「感動がない。WOW!と言わせてくれ!」byモリゾウ

新型クラウンのデザインテーマは「威厳」。ロイヤルでは「粋なフォーマル」、アスリートでは「凄み」がブランドキーワードで、躍動感ある水平基調のFRシルエットと個性的な立体造形グリルの組合せが特徴。アスリート特有のフェンダーコブも迫力です。ただデザイン開発には波乱万丈が待ち受けていました。モリゾウ社長がデザイン審査の際に「クラウンはこんなもんだという意識でデザインしていないか?バランスは取れているが感動がない。WOW!と言わせるデザインにしてくれ!」と厳しく叱責!これで流れが一気に変わったそうですから、「ビックリ仰天」の仕掛け人はまさしく「モリゾウ社長」その人だったのです!

新型クラウンは、「技術」と「デザイン」の革新を見事に成し遂げたと思いますが、もう一つ「ビックリ仰天」を仕込んでいました。例の「ピンク・アスリート」、あれには心底たまげました!まさに3度目のビックリ仰天でした。モリゾウ社長でさえ「やるとは聞いていたが、まさか本当にやるとは・・・」と絶句したほどですから、デザイン陣が社長に一矢報いた格好ですよネ!こちらは今年、本当に発売するそうです。

■新型トヨタクラウン
http://toyota.jp/crown/index.html

(拓波幸としひろ)