トヨタカムリは、ハイブリッドで武装した高級セダンに進化しました!【新型カムリのすべて/インプレッション編】


カムリといえば、日本国内でカリーナから派生した、4ドアセダンのセリカカムリが思い出されます。もう30年以上経つんですね。なにしろFRだったんですよ!

トヨタ的には、次のトヨタ初・横置きFF「ビスタ&カムリ」を初代カムリとして位置付けているそうです。そこから数えるとカムリは、世界累計販売約1500万台の大ベストセラーカーへと成長しました。
一方で「アメリカで売れるクルマほど、日本市場では売れなくなる」という日本独特のジレンマに、どっぷりはまってしまいました。昨年一年間の国内販売は、なんと2千台に満たない台数にすぎません。

そこで8代目の新型カムリは、国内で人気の高い低燃費ハイブリッド車として、またサイズに見合った高級車として開発されました。

ただハイブリッド車といっても、プリウスのように記号性を強調した専用設計ではありません。あくまでガソリンエンジンも搭載可能な共用設計なのですね。
そのため外観のシルエットは、いかにもセダンらしい定番スタイルとなっています。また内外装共に上質な高級感を演出しており、車格がいくつも上がったような印象を受けます。

カムリの一番の特徴である低燃費は、なんと26.5km/l(10.15モード)!コンパクトカーのヴィッツと同一という驚きの数値を達成しています。300万円超えの大型高級セダンが、リッターカー並みの燃費で走るというのですから、本当に素晴らしいですね!

また実に巧い感じるのは、操作系をあえてハイブリッド車らしくしていないということです。カムリでは、アナログメーターやATシフト等の一般的な操作系を採用しているのですね。そのためクルマに詳しくない年配の方でも、ガソリン車と同じ操作感覚でハイブリッドを使いこなせるという訳です。こういうインターフェース合わせは非常に難しいと思うのですが、ハイブリッドの経験が深いトヨタならではといえそうです。

インプレによれば、モーターとバッテリーには変更はないものの、制御技術の進歩と車両軽量化のおかげで、EV走行時の性能が改善されているとの事です。
また走りや乗り心地でも、新たに開発された2500ccエンジンと熟成されたシャシーのおかげで、「動力性能とフットワークも期待以上、多くの人に強くアピールするに違いない。」とあります。また海外市場でのライバル勢、特に欧州車を意識しているようで、同門のSAIやHS250が競争力を失ってしまうほど、走りもメカも燃費も進化しているといえそうです。

ハイブリッドの超低燃費と高級感そして進化した走りで、新型カムリが日本市場にどう切り込んでいくか、大いに期待したいですね!

(拓波幸としひろ)