カーナビは昔から本当に進化している? マジメに考えてみた

スマホやタブレット用のカーナビ・アプリが登場するなど、ここ数年のカーナビは本当にバラエティに富んでいますね。でも、昔と比べてカーナビは本当に進化しているのでしょうか? 

最近は地図描画も高精細を追求するだけでなく、「見やすさ、分かりやすさ」に重点をおいたモデルが多くなってきました

まず、基本となる自車位置精度ですが、スマホのカーナビ・アプリを使っている方ならおわかりのように、GPSのみに自車位置測位を頼るとトンネル下や高架下などで“フリーズ”してしまいます。従来からの据え置き型ナビやPNDであれば、ジャイロセンサーや加速度センサーによって高速道路上でも高架下でも正確に測位するモデルが多くなりました。

最先端を求められるカロッツェリアの「サイバーナビ」。ARなどの革新性だけでなく、じつは他メーカーも舌を巻くのが自車位置精度の正確さです

GSPもカロッツェリア「サイバーナビ」などの上位機種であれば、10秒間に10回自車位置を測位する「10Hz」を搭載し、ジャイロや加速度などのセンサーも年々進化していますから、地下の駐車場などでも驚くほど正確に自車位置を表示します。昔は「高速道路の下を走っているのに、ナビは高速道路を走り続ける……」といったことも今ではかなり少なくなってきました。

アルパインが「BIG X」で切り拓いた専用設計&大画面化も、写真のストラーダやECLIPSEも追従して据え置き型ナビの新しい流れになっています

また、進化を実感させられるのが処理能力のスピード。検索だけでなく、ケンウッドの「彩速ナビ」のように地図スクロールなども人間の目と脳が追いつかない! と思えるほど速いナビもあります。

スマホ連携もいまや欠かせなくなっています。なかでもクラリオンはかなり力を入れています

地図更新もその方法は通信機能を使うかPC経由かに分かれていますが、変わった道路や施設のみを更新する「差分更新」が定着、さらに、通信機能が充実してきたことでリアルタイムの渋滞情報や天気予報なども入手できるようになりました。

新しさという点では、AR(拡張現実)を使った「サイバーナビ」が目を引きますが、各メーカーが進めるスマホ連携による機能の拡張が一般的になっています。ナビのみで多彩な機能を完結するのは容量などの限界がありますから、クラリオンが進めるクラウド型ナビやスマホ連携など、外部の頭脳をより活用する方向に進むのは間違いないでしょう。
(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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