ドライバーにも乗員にも優しくなったポルテ/スペイド

レポーターの実家には、いまや先代になってしまったポルテがあります。帰省してちょい乗りで借りると、運転席側に後席用ドアがないことに妻が驚いたことがあります。

8年前の当時、運転席後ろにドアを設けなかったのは技術やコスト的な問題ではなく、コンセプト的にも「要らないだろう」というのが理由だったとか。しかし、ユーザーだけでなく、商品企画担当者も初代ポルテを足にしていると、乗降時はもちろん、ちょっとした荷物を後席の上に置いたりする際などに不便だなと感じたそうです。

子どもが道路側に飛び出さないなどのメリットもありますが、運転席側の後席ドアはやっぱりあった方が便利ですね。ステップワゴンも初代と2代目は運転席側の後席ドアはありませんでした

新型ポルテ/スペイドの使い勝手では運転席側の後席ドア追加がやはり最大のニュース。開口部が増える分だけボディ補強を行ない、目標としたラクティスと同等レベルのボディ剛性を確保したとのことですから長年乗っても安心でしょう。

また、先代も後席の座面はチップアップ式でしたが、一体式だったため跳ね上げてしまうと人が座れないという欠点もありました。新型は6:4分割式で課題をクリアしています。

後席の座面を上げて、観葉植物などの荷物を積んでも後席に1人座れるようになりました

ドライバーに朗報なのがフレームから見直したというシートで、背もたれの天地高も長く、たっぷりした厚みもあって座り心地も良好。先代はソファ感覚の座り心地でしたが、新型はとくにサイド部を硬くして長時間の乗車でも疲れない構造にしています。

助手席は先代とほぼ同じ構造ですが、運転席はシートフレームから見直して座り心地も向上しています

さらに、先代のシートベルトは肩と胸の2か所にテンションがかかることで「疲れやすい」という声がユーザーからあったそうです。新型ポルテ/スペイドでは胸まわり1か所を拘束することで同等の安全性を確保し、低摩擦のシートベルトは装着しやすいだけでなく、疲れにくいドライバーに優しい設計になっています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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