先日クルーザーで海から見た『フレペの滝』を、今度は地上から見に行きました。
『知床自然センター』にクルマを停め(駐車場無料)、隣接する鳥獣保護管理施設の脇からつづく遊歩道で往復約2km、ゆっくり歩いて約40分程度の道のりです。
本格的なトレッキングは難しいけど、これくらいだったらオシャレをしたカップルや小さなお子様連れ、お年寄りでも気軽に自然探索を楽しめます。
全体的にアップダウンも少なく歩きやすいのですが、足下に木の根っこが出ていたり砂利道もあるのでサンダルなどでは行かない方が無難です。また、野生動物を刺激しないよう、ペットの立ち入りや飲食物の持ち込みなどは禁止されています(水やお茶はOK)。
最初は森の中を歩くので涼しいですが、やがて開けて遮るものがなにもない草原に出ます。天気のいい日は帽子をお忘れなく。
この日はちょっと雲をかぶってましたが、知床連山も見渡せる絶景スポットです。今は黄色いハンゴンソウの花が見頃ですよ。
海に面した突き当たり、展望台に到着です。角度的に滝を正面から見ることはできないのですが、写真・右端にフレペの滝が流れています。
フレペの滝には川がある訳ではなく、知床連山に降った雪と雨が地下に浸透し、その水が染み出て垂直に切り立った約100mの断崖の割れ目から流れ落ちているという不思議な滝です。
はらはらと流れる様子から、【乙女の涙】とも呼ばれています。この向こう側あたりにも、したたるような滝があるのですが、そちらは「隠れて泣いているようだ」ということで【男の涙】と名付けられているそうです(残念ながら海からしか見ることはできません)。
写真では分かりづらいですが崖の左上に白い灯台が建っています。道はあるのですが、立ち入り禁止になっていました。
この写真の左下にエゾシカがいるのが分かるでしょうか? こんな断崖をものともせず、のんびり草を食んでました。春先には遊歩道にもシカの角が落ちてたりするそうですよ!
「フレペ」とは、アイヌ語で「赤い水」を意味します。これは、夕日が滝に反射して綺麗な赤い滝に見えることから名付けられたと考えられているそうです。知床クルージングを体験してみたい方は、夕陽の時刻も考慮して予約してみるといいかも知れません。
フレペの滝遊歩道は、冬の積雪期は歩くスキーやスノーシューなどでのトレッキングも可能。その頃の滝は凍って氷瀑になっているそうですよ。
■知床八景(知床斜里町観光協会)
http://www.shiretoko.asia/8scenicspots.html
(松本しう周己)