キャンピングカーの専門用語【車中泊女子の全国縦断記】

Rocky21気づけばクリッカーライターになってからもうすぐ1年目。
先日、編集長より「用語の統一のお願い」メールが届きました。
細かいことですが、
「大きい」は×「ビック」 ○「ビッグ」
「後ろ」は「リア」でなく「リヤ」(どっちも間違いではないようですが)
×「エアバック」 ○「エアバッグ」
などです。

キャンピングカーに乗りはじめた頃、キャンピングカー業界の専門用語?を覚えるのに四苦八苦したことを思い出しました。

過去記事「キャンピングカーのタイプ別呼び方は?」(by 上野達之氏)にもありますが、まず「クラスA」「クラスB」「クラスC」「キャブコン」「バスコン」「バンコン」などなど、タイプによって様々な呼称があること。
前述記事ライターの上野達之氏も書いていますが、海外では「キャンピングカー」と言ってもほとんど通じない、和製英語だということ、などなど。
(アメリカでは「RV」「モーターホーム」、ヨーロッパでは主流のけん引タイプ=「キャラバン」/自走タイプ=「モーターキャラバン」など)

日本語で言ってくれればいいものを、何故かわざわざカタカナにしてしまう。そしてさらに本場の呼び方を変えてしまうという弊害は、キャンピングカーならずともあらゆる分野で見受けられます。なにゆえ日本人は「新しいコトバ」を発明したがるのか…。

それはさておき。

わたしが乗っているRocky21は「クラスC」タイプ。
特徴的なのは車両上部前方に張り出している「バンク」部分。
元来、船・汽車などにおける「寝床」の意味だそうで、バンクベッド(キャブオーバーベッド)と呼んだりもしますが、わたしは収納スペースにしています。

居住スペースへの出入り口は「エントランスドア」。
Rocky21はカナダ製ですが我が家のは日本仕様に左エントランスになっています。
ほか室内レイアウトによって、前/後/背面などドアの位置はそれぞれ。バンコンの場合はスライドドアになってます。

居住スペースは「キャビン」、車内に設置された収納用の引き出しや戸棚のことは「キャビネット」、その中でも上部にあるものは「オーバーヘッドキャビネット(オーバーヘッドコンソール)」。

テーブルと椅子(ソファ)を配したダイニングスペースは「ダイネット」。
「L字型」「コの字型」「ニの字型」などがあり、バラして組み直すことによってベッド(いわゆるカウチベッド)にもなります。

キッチンは「ギャレー」。
キャンピングカーはマリンパーツの流用が多いため、用語にもクルーザーやヨットの影響が多々あります。
運転席を「キャプテンシート」と呼んだり(笑)

生活用水を貯めておく清水タンク、生活雑排水用のグレイタンク、トイレの汚水用のブラックタンクがあり、排水することを「ダンプ(Dump)する」と言います。
さらに清水や生活雑排水を抜くときの排水栓(コック)は「ドレーンコック」。
Rocky21は完全固定式の「マリントイレ」ですが、持ち運びができる簡易式「ポータブルトイレ」がついているキャンピングカーもあります。

ハシゴは「ラダー」。リヤ部に取り付けてあれば「リヤラダー」。
換気扇(ベンチレーション)や通風孔は「ベンチレーター」。ルーフ部に設けられた換気扇の換気口は「ルーフベント」。

などなど… 簡単なことですが、慣れていないと会話についていけず苦労しました。
また専門用語ではありませんが、 「キャンパー」というと「キャンプする人」という意味のハズなんですが、キャンピングカーユーザーの中には「キャンピング用車両」という意味で使う人が多いのも戸惑いました。

「郷に入っては郷に従え」──
キャンピングカーライフも用語を理解すると仲間意識が芽生え、よりいっそう楽しくなるものなのかも?

【参考リンク】「キャンピングカー用語集」(日本RV協会)

(松本しう周己)

この記事の著者

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松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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