新車でZ4 GT3、つまりレースカーって誰でも買えるんです! 初音ミクBMW、StudieAG鈴木社長に訊く その5【痛車 スーパーGT】

初音ミク グッドスマイル BMWのエントラント代表であるStudie AGの鈴木氏にお話を伺うロングインタビューの第5弾。今回はチャンピオン祝勝会で谷口選手が語ったあの件について伺います。

-- チャピオン祝勝会で谷口選手が仰っていた「みんなもZ4買えばいいのに、売ってるんだから」という言葉がかなり印象的だったのですが、そんなに簡単に買えるものなのですか。

鈴木「GT3カテゴリーのマシンと言うのはいわゆる市販レーサーなんです。メーカーが作ってそれを販売し、ほぼそのままの状態でレースに使うと言うのが基本なんです」

-- チューニングを後から施すとか、メーカーにスペシャルを作ってもらうとかは出来ないのですか?

鈴木「それをやっちゃうとGT3じゃ無くなっちゃう(笑。むしろスーパーGTは性能調整があるのでチューンアップではなくチューンダウンになってますけどね」

-- GT3マシンはほとんど吊るしで使うということですか?

鈴木「そうですね。チューニングは出来ませんけどセッティングは出来る、と考えていただければいいと思います」

-- で、実際のところ、お金さえあれば誰でも買えるんですか?

鈴木「定価も決まっていますし、運送料も船なら50万円、飛行機なら150万円と決まっていますからすぐに見積もりも出てきます」

-- でもドイツって消費税というか付加価値税が20%くらいありますよね。

鈴木「輸出品には付加価値税はかかりませんよ。税金は日本の関税が5%かかるだけですね」

-- そうすると31万5千ユーロ、1ユーロ102円で計算して日本円で3213万円と運送料と関税で買えるって事ですか?

鈴木「Z4 GT3ってメーターレスなんでオプションの中からメーターを付けなくてはいけないんです。デジタルとかアナログとか種類があるので20~50万円くらい見てもらえれば」

-- あれ?Studie AGの儲けは入ってないですよ。

鈴木「書類や通関などの手数料で車両価格の5%をいただきます」

-- 5%って160万円?3200万円のクルマを売ってそれだと全然儲からないじゃないですか?

鈴木「そこはうちの本筋の商売とは違うので特に儲ける必要なんかありませんよ」

-- それだけデータがそろっていると言うことは、初音ミク以外にもZ4 GT3って輸入したんですか?

鈴木「1台輸入しました。その方はレースで使うのではなく、趣味としてサーキットのスポーツ走行に使っていらっしゃいます」

-- 来年以降、マシンのレギュレーションが共通化していくとGT3マシンが増えていきそうですね。Z4 GT3はStudie AGが窓口で、ということでよろしいのですか?

鈴木「ご希望があればいつでも、ということで。BMWはお任せください」

 

z4が、というよりもGT3マシンは導入の敷居がかなり低いということで、レースの活性化にもかなり貢献するのではないかと思います。スーパーGTなどの「観る」レースもスーパー耐久の様な「出る」レースもGT3マシンが活躍することを期待します。

(北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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