「ホンモノのほうがカッコいいです」見えた! FT-86 数々の新事実【続編】

8/28(日)にお台場のMEGA WEBで開催されたイベントでFT-86開発責任者の多田チーフエンジニアから先回お届けした情報に続く、最新開発情報を伺う事が出来たので、またまたクリッカーが何処のカーメディアよりもイチ早くその全容をお伝えします。

今井優杏さんの冒頭アナウンスで司会の城市氏、FT-86開発責任者の多田チーフエンジニア、ハチロク使いの土屋圭市氏がステージ上に登場。

ステージ中央が多田チーフエンジニア。 皆、寄ってたかって何とかトクダネ情報を引き出そうと懸命。その成果の数々が以下の情報となります。先回の記事と併せてじっくり御覧下さい。

【今回判明した内容】 by 多田チーフエンジニア

・トヨタ版のネーミング発表はもう少しお待ちを。

・FT-86Ⅱと市販車ではフロント・リア廻りのデザインに結構違いが有り、進化している。勿論、市販モデルの方が格好良くなっており、コンセプトモデルの方が良かったという心配は無用。

・コンセプトカーに付けたFT‐86のネーミングのせいでAE86の現代版?と誤解される事が多いが、ハード面での繋がりは全く無く、実は長い期間かけてユーザーやチューナーに「ハチロク」を名車に育て上げてもらった経緯を開発チーム全体に浸透させる為に付けたもの。 このクルマも「ハチロク」のように長く愛され続けるクルマに成長して欲しいという気持ちの現れ。

・スバルとのコラボ開発は双方ともに色々と勝手が違ったりで当初は大変な面も多かったが、現時点では会社の壁を乗り越えて、心をひとつにした開発が出来ている。

・開発企画段階で、世界中のスポーツカーファンにどんなクルマが良いか随分調査したが、結果は十人十色。従って、メーカーが押し着せる「ベスト」では無く、むしろユーザーサイドが自分の「ベスト」を作り出せるクルマを提供する事を開発テーマにした。それがひいてはもう一度クルマに興味を持って頂ける事に繋がればと思う。

・販売価格が安い事も大事な要素だが、通常の開発とは視点を変えて、このクルマを買ったユーザーのメンテナンス費を如何に抑えるかについてもかなり熟考しており、(タイヤ、ブレーキ・パッドなど)その為の評価テストをしっかりやっている。

・このクルマは数値性能に拘るのではなく、運転して楽しいかどうかを徹底して追求しており、サーキットに限らず、例えば40㎞/hでいつもの交差点を曲がった瞬間にも「運転の喜び」を感じる筈。

・開発のこだわりは「2.0LのFR駆動で出来るだけ小さく軽く作る」こと。

・水平対向エンジンを選んだ理由はエンジンの重心が低いだけでなく、エンジンの前後長が短縮できるから。これにより、効率的なパッケージングが可能となった。

・車両重心をフェラーリやポルシェ並みに低くできた事で足回りをむやみに固めなくてもロールが少なく、結果的に乗心地が非常に良くなっており、荒地でも跳ねずに路面吸収性がかなり高い。

・ターボ搭載はミッション、デフ、ボディなどの強化を伴う結果、車重が増加する為、非装備。

・ミッションは6速マニュアルがメインだが、スポーツ・チューンしたATも用意している。

・土屋圭市氏が熱望する200万円を切る数々の装備を簡素化した「素」のハチロクについてもアッと驚く仕様で販売検討中!?

以上、今回も多田チーフエンジニアのFT-86開発にかける「思い」を色々と聞く事ができたような気がします。

いよいよ東京モーターショー(12/3~)開幕まで3ヶ月余り。このクルマの全容が新会場となる東京ビッグサイトで明らかにされるまで、あと僅かとなりました。

こちらも併せてお読み下さい。 https://clicccar.com/2011/08/08/49632

(Avanti Yasunori )

【画像がすべて見られない方は>>> https://clicccar.com/56176

この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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