日産がGT-R用に発売した「バージョンアップキット」が凄いことになっている!

古今東西、GT-Rといえばチューニュングとは切っても切り離せない関係にありますよね。そんな状況をもっともよくわかっているのは、実は日産自動車自身なのかもしれません。 なんと、日産自動車がやってくれました。2010年モデル以前のGT-Rに対応する、バージョンアップキットを発売したのです。

日産のプレスリリースによると

「NISSAN GT-R」は、2007年12月の発売以降、お客さまに高い価値を提供し続けるため、新車の魅力性能の向上に加え、ご購入いただいたお客さまへのアフターサービスの面においても常に進化を続けています。今回発表した2011年バージョンアップキットでは、2010年モデル以前の「NISSAN GT-R」をご購入いただいたお客さまを対象に2011年モデルの進化をご体感いただくため、ブレーキシステムとサスペンションシステムをセットにしたキット(Aキット)と、お客さまからのご要望が高かったリヤコンビネーションランプ(テールランプ及びブレーキランプ)の4灯同時点灯を可能とし、カーボン製クラスターフィニッシャーや新デザインダイヤルスイッチを装着するキット(Bキット)を設定いたしました。
本バージョンアップキットは、日産ハイパフォーマンスセンター及びNISSAN GT-R特約サービス工場において、2012年3月末までの期間限定で、特別価格にて販売いたします。また、本バージョンアップキットを装着した車両は、NISSAN GT-R認定中古車として査定を行う際、査定点アップの対象となります。

とのこと。

走りの性能アップを狙う「Aキット」は、2009年モデル以前だと102万3750円(工賃別)、2010年モデルは一部の部品が省かれるので71万850円。強化したフロントブレーキ(日産オリジナル設計のブレンボ社製キャリパー&390φローター)&ブレーキ周辺パーツとGT-R開発ドライバーの鈴木利男さんが率いるノルドリンク社が日産と共同開発したサスペンションの組み合わせのほか、ブレーキだけのキットも25万6200円~45万1500円で用意しています。

Bキットは、ドレスアップ的部品。テールランプ&ブレーキランプのアッセンブリーにセンタークラスターのパネルとスイッチが付いて13万1250円です。

このバージョンアップキットには3つの興味深い点があります。

ひとつは、内容を考えると価格がきわめてリーズナブルなこと。たとえばブレーキキャリパーは6ピストンの(写真で見る限りは)モノブロックなので、キャリパー&ローターだけでも数十万円に近い金額になるはずですから相当なバーゲンプライスです。

ふたつめは、キットを装着しても新車保証がしっかりと継続されること。

3つめは、ニスモ大森ファクトリーのほかにノバ・エンジニアリングノルドリンクなど非メーカー系のファクトリーが取り付け工場として指定されていることです。

つまりこれって、早い話がメーカー純正のチューニングパーツなんですよね。最新モデルの性能を高める一方で、古いモデルに乗っている人にも純正チューニングパーツを用意して進化を味わわせてくれるといううれしい親切心に、日産もなかなかやるなあと思います。僕も、このバージョンアップキットは早急に装着したいところですね。ってよく考えたらボクはGT-Rは持っていませんでしたが。

(工藤貴宏)

 

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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