トヨタ86/BRZも唖然のBMW M5「ASD」サウンドシステムとは?

以前に『「サウンドクリエーター」が解決した、トヨタ86の課題とは?』で触れた、トヨタ86/BRZの「サウンドクリエーター」やMAZDAロードスターの「インダクション・サウンド・エンハンサー」は加速時のエンジンの吸気経路の脈動を利用、聞かせたい周波数領域のみを誇張してキャビン内に伝える画期的なシステムでした。

ところが情報によると、現行のBMW M5でもっと過激なシステムを採用していると言うではありませんか。その名は「Active Sound Design(ASD)」。

既に2年前にBMWのエンジニアがディーゼル仕様のMINIのエンジン音をV8サウンドに変換する技術を開発済みだったようで、「ASD」らしきプロトタイプ版のPR動画が存在します。

[youtube width=”560″ height=”350″]http://www.youtube.com/watch?v=xVz4HtVFegQ

現行のBMW M5でも同様な電気的処理を施しているようで、エンジンをV10(NA)からV8ターボにダウンサイジングした事によるサウンド面でのネガを解消する補助システムのようです。

BMWはこのシステムの搭載を公表していないようですが、それを裏付ける映像が存在。

[youtube width=”560″ height=”345″]http://www.youtube.com/watch?v=tM0xLja4Rt4

前半がASD ONの状態、後半がOFFの状態(ヒューズ・カット)です。聞き比べれば判るとおり、かなり加速時のサウンドに味付けがなされています。

近年の過熱する燃費競争でVW同様、大胆にエンジンのダウンサイジング路線をとり始めたBMWですが、M5同様、V8(NA)→V6ターボ化が噂される次期M3にももしかすると「ASD」を採用済みなのかもしれません。

筆者Avantiも2年前、この発想の元となったと思われるグッズの存在を知り、大いに驚いた記憶がありますが、まさか欧州車がこういう形で音作りをしてくるとは思ってもみませんでした。
そのグッズがこちら。

[youtube width=”560″ height=”345″]http://www.youtube.com/watch?v=1RZwwYXNzgM

御覧のとおり、SAABのエンジンがフェラーリのV12サウンドに早変わり ! 
オルタネーターからのパルスを検知,エンジン回転数に合わせて音を変化させる仕組み。

これなら技術的には軽自動車をV8サウンドにする事も可能に。
もっとも、PS3の「GT5」などでも実車のサンプリング・サウンドで遊べる時代ではありますが。

スポーツカーにはドライバーをその気にさせる上で「音が命」という側面もあるので、欧州のカーメーカーも音作りに余念が無いと言ったところでしょうか。

高級ラグジュアリー・スポーツ「M5」でのASD採用の良し悪しは別にして、発想的にはなかなかユニークと言えそうです。

■BMW M5
http://www.bmw.com/com/en/newvehicles/mseries/m5sedan/2011/showroom/index.html

Avanti Yasunori

【写真ギャラリー・動画をご覧になりたい方はこちら】https://clicccar.com/?p=146147

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
続きを見る
閉じる