スバルに先行デビューを譲った次期トヨタ「86」。BRZと走りを差別化、22年発売?

■2代目スバル「BRZ」は精悍なフロントマスクを採用

スポーティな2代目スバルBRZのフロントマスク

昨2020年11月18日に北米スバルがBRZの次期モデルを公開。

2代目となる新型は現行モデルに続き、トヨタ自動車との「もっといいクルマづくり」の取り組みを通じて共同開発されており、エクステリアを全面刷新。

2代目スバルBRZに搭載される2.4L水平対向4気筒DOHCエンジン

車両サイズは全長4,265(+25)mm、全幅1,775(±0)mm、全高1,310(-10)mm、ホイールベースが2,575mm(+5mm)と、全長が延長されたほか、車高が若干低くなっており、全幅は同一。ホイールベースについても現行モデルとほぼ同等になっています。

現行の2.0L FA20型エンジン(207ps/21.6kgm)に代わり、2.4L水平対向4気筒DOHCエンジン(231ps/25.4kgm)を搭載。徹底した吸排気性能の強化とフリクション低減によって、トルクを15%向上。

サスペンションは現行のフロント:ストラット、リヤ:ダブルウイッシュボーンを踏襲。サーキット等でのスポーツドライビング時にテールスライドを許容する「トラックモード」を装備しています。

プラットフォームは現行モデルからのキャリーオーバーとみられますが、SGP(スバル グローバル プラット フォーム)の開発から得たノウハウを取り入れ、フロント横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%と大幅に向上。ステアリング操作への応答性を高め、より軽快な動きを実現するとともに、旋回時のトラクション性能が向上しています。

フェンダーに設けられたエアアウトレット

ルーフ、フード、フロントフェンダーに軽量なアルミ素材を採用することで、エンジン出力や安全性の向上に伴う重量増を抑制(MTの場合27kg増)すると共に、前後左右重量の適正化や更なる低重心化により、運動性能を向上。

2代目スバルBRZのインテリア

また、BRZで初となる運転支援システム「アイサイト」をAT車に標準装備しており、プリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールが、快適な移動をサポートします。

●次期トヨタ「86」が未公開なのはなぜ?

その一方で気になるのが兄弟車、次期「トヨタ86」の開発状況。

2代目スバルBRZのサイドビュー

スバルは米国市場における新型BRZの発売時期を今秋としていますが、トヨタ自動車は現時点で新型「86」の発売時期を明かしていません。

それもそのはず、各種情報によると豊田章男社長からBRZとの差別化をもっと明確なものにするよう指摘があった模様。商品性の見直しを行っているため、発売時期が来年にずれ込む可能性が有るようです。

「86」はスバル生産によるOEMモデルのため、差別化には限度が有るものの、BRZ公開後のデビューとなれば尚更インパクトが必要。しかしながら、巷に出回っているスクープ画像などによると、外観についても章男社長が危惧するとおり、BRZよりも本家「86」の方がやや地味な印象を受けます。

人気スポーツカーだけに、これはデビューまで時間がかかっても開発委託元として譲れない部分であり、性能特性面での差別化に加え、外観にまで見直しが入る可能性もありそう。同社の今後の対応が注目されます。

Avanti Yasunori

【関連リンク】

新型スバルBRZ情報
https://www.subaru.com/2022-brz

SUBARU BRZ
https://www.subaru.jp/brz/brz/

TOYOTA 86
https://toyota.jp/86/

この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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