えっ羊毛??? 「羊毛フエルトでピストン&コンロッドを作ってみよう!」遊び心が斜め上すぎるヤマハ【動画】

●ヤマハのウェブサイトにある手芸コーナーがガチすぎる!

ヤマハってね、押しも押されもせぬ二輪車の大メーカーで、製品自体は高性能でハイクオリティなんですけど、ちょっとヤバいんです。

なにがって、コーポレートサイトを見ていると根底にあるスピリットとして遊び心がスパークしすぎている気がするんですね。

フエルトで作るピストン
現在ヤマハのウェブサイトでは羊毛フエルトでピストン・コンロッドを作る方法が紹介されています。

かつてはサイト内でペーパークラフトを無料配布していました。もう閉鎖されてしまったので記憶に頼るしかないんですが、バイクのペーパークラフトなどがいくつもあったと思います。

まぁ、それだけなら微笑ましいのですが、そのなかに超精密ペーパークラフトというモデルがありまして、不器用な私としては血の気が引くほど細かいパーツまでリアルに再現する恐ろしいペーパークラフトでした(たしかVMAXとかYZF-R1とかがあったと思う)、「なんて挑戦的なサービス!」と思ったものでした。

で、最近みつけたんですが、現在ヤマハではもうちょっとユルいクラフトを紹介しています。下はその一例。『SRピストンby羊毛フエルト』というものです。

わかりますね。ヤマハが誇る名車SRに使われているピストンを羊毛フエルトで作ってみようというものです。YouTubeで動画が紹介されているので、どうぞごらんください。3回シリーズで、第1回はコンロッドです。

いやいやいやいや。ちょっと待て。なにこのリアルな色と造形。わかりますよ。ピストンとかコンロッドって、バイクの心臓部だからね。なんかバイク乗り、クルマ好きにはたまらないアイテムだよね。でも、それを羊毛フエルトで作るの? そんなやわらかいもので作るの? そして、作業自体はけっして簡単じゃなさそうですよね。

いや、これユルくないわ。超ハイレベルだわ。超ハイレベルな手芸。で、次が第2回のピストンです。

バイクと手芸って相通じるものかな? なんか突き詰めていくと銀河のかなたで出会うかもしれませんが、バイクと手芸の両方を趣味にしているひとって少なそうですよね。それとも、雨の日にバイクで出かけないなら家で手芸をしよう、という提案かな?

そして第3回ではピストンを仕上げて、コンロッドを組んで完成です。……ピストンピンは別体かよ!

ちなみに、型紙とか材料とか道具とか、細かいデータはヤマハのコーポレートサイトのショールームというところにあります。そのSRピストンのページには、ごていねいに『ご注意:エンジンの中に組み込まないでください』という注意書きがあります。組み込まねーよ!

でもね。僕は感動しました。このまったく媚びない遊び心! いや、これカワイイよ。オレSR乗りじゃないけど、欲しいよ、これ。本気だもんね。

『制作協力・監修:一般社団法人 日本羊毛フェルト協会』ってクレジットが入ってるよ。それでいて、その下には、『SR ピストンはどこに入ってるの?このムービーで疑問解決です。』というSRのエンジンの中身をイラストで見せる動画が入っている。

手芸に対してもバイクに対しても一切の妥協なし! 安易なほうに流れるのではなく、「かわいいだろ。かわいいと思うならこの手芸に挑戦してみろ!」という強いメッセージを感じます。本当に感動して、ちょっと涙が出ました。こういうの大好きです。

ヤマハの手芸ページ
こちらがヤマハのサイト内にある羊毛フエルトでピストンを作るページです。

ちなみに、このシリーズにはマリンジェットやNIKENもあるほか、“あみぐるみ”で発電機を作ったり、プレミアムボートを作るページもあります。

羊毛フエルト、あみぐるみ、どちらも初心者向け基礎講座からページが設けられているのがすごい。作って投稿するとInstagramの公式アカウント(yamaha_motor_handicraft)に載せてくれるようです。

見てみると、ネコをNIKENに見立てた「ニャイケン」が人気のようですね。ピストン&コンロッドは……ないじゃねーか! 誰か作って投稿してあげてください。

(まめ蔵)

この記事の著者

まめ蔵 近影

まめ蔵

東京都下の農村(現在は住宅地に変わった)で生まれ育ったフリーライター。昭和40年代中盤生まれで『機動戦士ガンダム』、『キャプテン翼』ブームのまっただ中にいた世代にあたる。趣味はランニング、水泳、サッカー観戦、バイク。
好きな酒はビール(夏場)、日本酒(秋~春)、ワイン(洋食時)など。苦手な食べ物はほとんどなく、ゲテモノ以外はなんでもいける。所有する乗り物は普通乗用車、大型自動二輪車、原付二種バイク、シティサイクル、一輪車。得意ジャンルは、D1(ドリフト)、チューニングパーツ、極端な機械、サッカー、海外の動画、北多摩の文化など。
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