タイのハイエースが天井をデコる理由とは? 単なるデコレーションではなく意味があったことが判明

タイで移動人数が多いときによく用いられるのがハイエースのチャーターです。チャーターですので、クルマだけを借りるのではなく、ドライバーも一緒にお願いすることになります。

何度もこのチャーターハイエースを利用していますが、日本のハイエースとはちょっと異なった内装をしています。それは、それぞれに凝ったデコレーションが施されていることです。大概、エクステリアはほぼノーマルなのですが、内装、とくにルーフがかなり凝ったデコレーションとなっているのです。

いつも乗るたびに感心していたのですが、じつはこのルーフには大きな理由がありました。単にルーフをデコっているのではなく、ちゃんと理由があったのです。

それはエアコン(クーラー)の存在です。南国タイでは日本のように吹き出し温度を調整する必要はなく、冷風をどれだけの量出すか? なのでエアコン機能(吹き出し温度調整)は必要なく、冷風機能(つまりクーラー)だけで事足ります。しかし、一般的なハイエースのままではリヤシートへの冷風は事足りません。

そこで追加のエアコンを装着しダクトを配管してリヤシートへ吹き出すようにしているのです。そのエアコンの配管などがルーフに通っているため、フタをするような形でデコレーションタップリのルーフが取り付けられているというわけです。今回調査したなかには非常にシンプルなルーフも存在していましたが、基本的にはしっかりとデコって、ハデハデにするようです。

ちなみにアルファードはタイでは、利率の高い関税などがかかり約1000万円になるといわれています。そのため、ハイエースを高級に仕上げるのが流行っているというわけです。

シートもかなり豪華なものになっていることが多いですし、ウインドウガラスには赤外線カットのフィルムが貼られることがほとんどです。さらに、チャーターで使われるハイエースはスーパーロングでシートは4列仕様となっているものがほとんどです。

《撮影 諸星陽一》

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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