【東京モーターショー2017】CVTで未来を切り拓く、ジヤトコはEV用トランスミッションも視野に入れる

東京モーターショーに出展している大手サプライヤーは、いずれもトップカンパニー。日本車に多く採用されているCVT(無段変速機)のリーディングカンパニーであるジヤトコ(表記はジャトコではありません、「ヤ」になります)も、しっかりとブースを出しています。

第45回 東京モーターショーにおけるジヤトコブースのテーマは、”JATCO FUTURE VISION”です。

2017年、ジヤトコはオートマチックトランスミッションの生産を開始して50年(前身である日産自動車吉原工場から数えて)、CVTの生産を開始してちょうど 20 年という節目の年。さらに、2017年にはAT、CVT の累計生産台数が1億台に達したといいます。そのうち、3,800万台が CVT で、 グローバルなCVT販売のジヤトコが占めるシェアは約37%と、トップカンパニーであり続けています。

電動化が進んでいるからこそ、内燃機関と組み合わせてもシームレスな加速が味わえるCVTのメリットが再評価されているという見方もできます。電動化トレンドといっても、すぐに内燃機関が消えてしまうわけではありません。そこでジヤトコでは、第一人者としてCVT の技術を磨き上げていくことを宣言しています。

一方、EVが拡大するというグローバルトレンドに対応し、電気モーターの性能を引き出すために、従来とは異なるトランスミッションの開発も始めています。たとえば、登坂路でトルクを増幅するための減速機構であったり、高速走行で効率を上げるための変速機構などを考えているということです。

さらに、自動運転においてトランスミッションメーカーが何をできるのか、というテーマでも研究開発を行なっていくといいます。自動運転だからこそ、シームレスな走りや、効率よく走るための変速比が自在にコントロールできるCVTのメリットが、さらに活かすことができる、とジヤトコでは考えているのです。

『トランスミッションのチカラで未来のモビリティをもっと豊かに』。自動車というモビリティが変化していく未来において、トランスミッションが果たせる役割や可能性について、ジヤトコは考え続けているというわけです。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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