人間対コンピュータの棋戦 「第2期電王戦」で活躍するデンソーの技術とは?

人間とコンピューターが対戦する棋戦「電王戦」で、自動車部品メーカーのデンソーの技術が活躍していることをご存知でしょうか?

4月1日(土)と5月20日(土)に開催される「第2期電王戦」で、コンピュータソフトの指し手を将棋盤上に再現する新型代指しロボット「電王手一二さん」(でんおうて いちにさん)が、デンソーの子会社である デンソーウェーブから提供されます。

代指し(だいさし)ロボットとは、将棋ファン以外には聞きなれない言葉ですが、人間の棋士と対戦するコンピュータソフトの指し手に従って、人間が将棋の駒を動かすように、ロボットアームで駒を動かすロボットのことです。

デンソーウェーブでは同社の産業用ロボット技術を応用して、人間とコンピュータが対戦する「電王戦」にふさわしい代指しロボットを開発してきました。これまでに一代目の「電王手くん」、二代目の「電王手さん」、三代目の「新電王手さん」が誕生しましたが、今回の「第2期電王戦」では、新型の「電王手一二さん」が登場します。

新型「電王手一二さん」の特徴は、ベースの上に2台の産業用ロボットアーム「VS-060」(垂直多関節ロボット )を搭載していることです。この2台のロボットアームは、人間の両手のように連携して作動させる協調制御システムで制御されています。

人間の棋士と将棋盤をはさんで対面する「電王手一二さん」の作動環境で、2台のロボットアームを人間の両手と同じように作動させるため、「電王手一二さん」の制御プログラムは必要に応じて2台のロボットアームの「頭脳」を結合・分割して動きを制御するようになっています。

また、代指しロボット特有の配慮として、前回の「新電王手さん」と同レベルのスピードと静音性を保ちながら、人間の対局相手に心理的負担を与えないよう、将棋の駒を指す時、引く時にロボットアームを動かす加速度のブラッシュアップが施された、ということです。

この「電王手一二さん」が登場する「 第2期電王戦」は、将棋棋士の佐藤天彦叡王と将棋ソフト「PONANZA」による二番勝負で行われ、第1局が4月1日(土)に日光東照宮(栃木県日光市)で、第2局が5月20日(土)に姫路城(兵庫県姫路市)で開催されます。

自動車ファンの皆さんも、デンソーのロボット技術が活用されている「電王手一二さん」がどんな活躍を見せるかに注目してください。

(山内 博・画像:デンソー)