「速い機体をより速く」チューンナップする ─ 室屋選手の「レッドブル・エアレース2017」

── 今年、新しくミカエル・ブラジョー選手がマスタークラスに参加しますね。

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昨年終盤に参加したボルトン選手も継続参戦と、今や年齢的(44歳)には真ん中より上となります。チャンピオンのドルダラー選手や2位のホール選手は当然注目しているのでしょうが、他に室屋選手が今年注目している選手は誰でしょう?

室屋:マルティン・ソンカ選手でしょうか。ここ一発のタイムには目を見張るものがあり、もう少し安定してくればかなり上位に来ると予想しています。

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※実は、個別取材を待つ間にエアレース・アエロバティックに精通するおたくま経済新聞の咲村記者、エアレース中継の能勢雄一さんらと懇談の機会があり、そこでも最初に名前が挙がった注目の選手は「ソンカ選手」でした。昨年、千葉戦のファイナル4(決勝)で室屋選手と0.1秒差の接戦を見せ、2位だったソンカ選手。確かに無視出来ない相手です。

── では、今年は2009年組(マティアス・ドルダラー/マット・ホール/ピート・マクロードと室屋選手)の4名とソンカ選手を中心にシリーズ争いが展開していくと。

室屋:そう予測してます。

── 最後に、開幕に臨む今の心境をお願いします。

室屋:昨年と比べるとグッと落ち着いて、シーズンイン/アブダビ入りすることになると思います。タイトル獲得のためには、このペース・雰囲気を1年間キープするということに尽きると思います。あまり入れ込みすぎてアブダビで勝ったとしても、力尽きてはしょうがない。チーム全体(集中力を)キープしていくように、全員で心掛けながら続けていくいうことが重要だと思っています。

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ライバルもホール選手がMXS-RからEdg540V3に乗り換え、チャンブリス選手は機体の大幅なチューニングを進めた模様です。唯一のMXS-Rとなったミカエル選手はラム選手から引き継いだ機体の外観を一新、レトロなカラーリングを採用したとの情報が入ってきています。

このように、他の選手も開幕に向けて着々とチューニングを進めているようです。しかし、室屋選手も昨年1勝したことで勝つことに対してのイメージがより鮮明となった印象を受けます。そして、油断は感じられませんでした。

間もなく始まる開幕戦から、室屋選手の表彰台が期待できそうです。今シーズンのスタートダッシュに期待しましょう!

(川崎BASE)