三菱アウトランダーPHEVの雪上(一部氷上)での実力はどうか?

最近の三菱は軽自動車とPHEVを含む電動車両に注力していて、雪上試乗会の主役もアウトランダーPHEV。

クローズドされた特設コースで、全開加速からのフルブレーキングや多様なコーナーが用意され、雪上といっても場所によっては氷上といえるほど磨かれて、かなり滑りやすい状態になっているコーナーもありました。

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アウトランダーPHEVは前後に独立したモーターが配置され、モーターの特性である優れたレスポンスを活かして瞬時にトルク配分が変えられるほか、「TWIN MOTOR 4WD LOCK」を備えているのも特徴。

また、プロペラシャフトが不要なため軽量化に寄与するほか、4WDならではの機械抵抗もなくレスポンスの向上も可能となっています。

アウトランダーPHEVは、AWDシステムを「S-AWD(車両運動統合制御システム)」と呼んでいますが、前後トルク配分、左右トルク配分、横滑り防止装置のASC、ABSを統合制御することで操縦安定性を担保しています。

前後駆動力配分は「0:100」から「100:0」まで可変させることが可能で、雪上でのダブルレーンチェンジや滑りやすい坂道などでの発進などでも威力を発揮。さらに、走行モードを「4WD LOCK」に変更すると、AYCの差動制限力が引き上げられ、前後輪の駆動力配分のレスポンスを向上させることで走破性を高めることができます。

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雪上での走りは、前後輪それぞれ60kWのモーターで駆動するアウトランダーPHEVらしく発進時からスムーズで、常識的な速度であれば滑りやすい圧雪路でも安定した走行が可能。

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なお、装着されていたタイヤは横浜ゴムの「GEOLANDAR I/T-S」というSUV向けのスタッドレスタイヤで、「ジオランダー」史上最高の氷上性能を誇るというもの。

さらに、PHEVのAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)は、ブレーキの制御(左右の駆動力配分はブレーキによってコントロールされる)も入りますからさらに安定感が増し、コーナーなどでも姿勢を安定させることが可能です。

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雪上試乗の最後には、メディア対抗のタイムトライアルも行われました。アウトランダーPHEVで滑らないように(スピン、壁ドン)走ろうとしましたが、氷上に近い路面でも安定して走ることができたのはPHEVのS-AWCのおかげでしょう。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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