検索大手のGoogleが「自動運転車」を手掛ける本当の理由

世界中の地図を閲覧できる「Google Map」や見知らぬ街の様子を居ながらにして見ることができる「ストリートビュー」、さらには「Google Map」とリンクして3Dで確認できる「Google Earth」など、一昔前では考えられなかったような利便性を無料で提供している米大手インターネット検索サービスの「Google」社。 

Google_Map

今や世界中のコンピューターユーザーの利便性を向上させるツールとして溶け込んでおり、使い勝手の改善や情報の鮮度維持にもぬかりがありません。

スタート当初は2D然としていた「Google Earth」の映像も今では都市部や観光地などで殆どの建築物が3D化されており、また「ストリートビュー」では視点移動速度の高速化や画質の鮮明化などのサービス品質向上にも目をみはるものがあります。 

Google_EarthGoogle_Street_View

Googleがこれらの地図情報の収集に向けて「Google Car」による地道なパノラマ撮影を世界中で展開しているのは周知のとおりですが、そんな同社が2010年に「自動運転車」を発表したことで自動車業界に衝撃が走りました。 

<Google社の歩み>

1998年 あらゆる情報を検索可能とすべくGoogle社を設立
2000年 Yahooがサーチエンジンに採用
2003年 Apple、Gooと検索エンジンで提携
2004年 人工衛星や空撮画像データベース会社を買収
2005年 「Google Earth」「Google Map」サービス開始 
2006年 YouTube社を買収
2007年 「Google Street View」サービス開始
2008年 NTTドコモと提携、FOMA端末での動画再生を可能に
2010年 自動運転車プロジェクトを発表
2012年 アンドロイド端末向け配信サービス「Google Play」を発表 

Googleはどのような戦略で「自動運転車」の開発を推進しているのでしょうか。 

その背景にはスマートフォン普及の伸びに陰りが見え始めたため、得意のIT技術が活かせる「自動車関連市場」にマーケットの矛先を向けている事が有るようです。 

それがGoogleの「自動運転」であり、Appleの「CarPlay」という訳です。 

自動車各社が開発している「自動走行車」はミリ波レーダーや車載カメラから得た情報(近傍車両、道路標識、信号、白線)や周辺車両との情報共有で自律走行を実現。 

NISSAN

一方、交通事故ゼロ社会の実現を目的とするGoogleの場合はトレードマークのVelodyne(ベロダイン)社製回転式レーザー照射レーダーをルーフ上部に搭載。 

Velodyne_scanner

秒間130万照射で得た3Dスキャンデータを元にAI(人工知能)が判断しながら自律走行する方式。 

Google

量産車に搭載するには見栄えやコストの課題が残るものの、多くの車両の動きを一堂に捉えており、検出能力は非常に高そうです。 

動画からも判るようにGoogle方式では近傍車両のみならず、街レベルの規模で刻一刻と変化する様子を捉え、スキャンした地図と照合させながら自律走行しています。

この方式のメリットは自車が進む先に待ち受ける状況を早い段階で把握することで、より安全な自動走行実現に結び付けている点に有ります。 

このようにGoogleは地図検索サービスに必要な道路情報の収集技術を高精度な自動走行実現に活かすことで自動車関連事業へのアプローチを開始しているという訳です。 

■Velodyne社 「lidar(ライダー)」Webサイト
http://velodynelidar.com/lidar/lidar.aspx 

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 (Avanti Yasunori

 【画像をご覧になりたい方はこちら】  https://clicccar.com/2014/06/22/259824/

この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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